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白亜紀後期ユタ州産の新しいオヴィラプトロサウリア類 2.8.06
 A NEW OVIRAPTOROSAUR (THEROPODA, MANIRAPTORA) FROM THE LATE CRETACEOUS (CAMPANIAN) OF UTAH
 LINDSAY E. ZANNO, and SCOTT D. SAMPSON
 Journal of Vertebrate Paleontology: Vol.25, No.4, pp.897–904. BioOne

  米ユタ州Grand Staircase-Escalante National Monument内の上部白亜系堆積の
 発掘調査で明らかになった様々な恐竜相に含まれていた、これまで知られていない
 オヴィラプトロサウリア類の記載です。
 これまで北米のオヴィラプトロサウリア類はアルバータ、モンタナ及びサウスダコ
 タでしか見つかっていませんでした。この発見で北米オヴィラプトロサウリア類の
 見つかった範囲が南に伸び、これまでの2倍近くなったそうです。

 オヴィラプトロサウリア類の新属新種として
 Hagryphus giganteus, gen. et. sp. nov. と命名されています。
 属名は、Ha エジプトの西方の不毛な砂漠の神+gryphus ラテン語で架空の4足の
 鳥、文法上男性。種小名giganteus はラテン語で巨大な

 完模式標本:UMNH VP 12765 断片的な遠位左橈骨、半月状手根骨及び橈側骨を含む
 完全な左中手骨、左手指(第一指と第三指は完全、第二指は末節骨を欠く)、断片的
 な遠位中足骨及び足趾及び関節した第二趾の遠位部。
 手の部分は関節した状態なので、この恐竜のそれぞれの指の相対的位置などがよく
 わかるものです。

 産地と層準:Kaiparowits層(カンパニアン後期)、The Blues area, south of Powell
 Point 産地の年代は7千6百から7千7百万年前の間とされています。

 分類基準:比較的大型のオヴィラプトロサウリア類恐竜で、Chirostenotesより30から
 40%大きいと見積もられる。Chirostenotes とは非常に頑丈な第一指の指節骨(幅は約
 200%だが長さは140%を超えない)を持つ点で区別され、Elmisaurus とは幅対長さの比
 が約20%である頑丈な第一中手骨幹をもつ展で区別され、この両者と、第一指の指間関
 節が第二指の中手骨との関節より少し遠位にある点で区別され、オヴィラプトル科と、
 殆ど等しい第二及び第三中手骨を欠き、殆ど等しい第二指及び第三指を欠くことで区
 別され、オヴィラプトロサウリア類の可能性のあるAvimimus 及びCaudipteryx とは、
 中手骨及び指骨の退縮 and/or 癒合がみられないことで区別される。

 参考:Operation Dangling Dino 同産地のハドロサウルスの発掘