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中国北西部白亜紀前期甘粛省産の新しい化石鳥類 1.02.05
 A new fossil bird from the Early Cretaceous of Gansu Province,northwestern China
 YOU HAILU(尤海魯), JINGMAI O'CONNOR, LUIS M.CHIAPPE & JI QIANG()
 Historical Biology, 2005; 17: pp.7–14 DOI: 10.1080/08912960500284851

 中国甘粛省酒泉(Jiuquan)地区昌馬(Changma)の下溝(Xiagou)層から産出した、エ
 ナンティオルニス類鳥類の左翼と肩帯部化石を記載しています。(産地、層準は
 Gunsus yumenensis 甘粛鳥と同じ)
 白亜紀前期の中国で初期鳥類は遼寧省など北東地区では多数報告されていますが、
 このほかでは殆ど報告されていません。甘粛省のこの地域からはGansus(甘粛鳥)
 に次ぐ報告になります。
 
 アブストラクトほにゃ訳
 我々は中国北西部の甘粛省から白亜紀前期鳥類の発見について報告する。ドバト
 サイズの殆ど完全な左翼及び肩帯で示される新しい鳥は、酒泉地域の昌馬近郊、
 下溝層(新民堡Xinminpu層群)の黄色がかった泥岩積層中から採集された。これら
 堆積中から、これまで唯一知られる標本であるGansus yumenensis、細長い指を持
 つ後肢遠位で示される基盤的真鳥類を産出している。新しい存在のいくつかの派
 生形質から、その配置をエナンティオルニス類の中に置くことを支持する:(1)烏
 口骨外側縁が凸状である、(2)大指中手骨より遠位に伸びる小指中手骨、(3)大指
 基節骨は第二指節骨より長い。翼の全般的な比率は、その鳥が殆どの既知のエナ
 ンティオルニス鳥類に匹敵して飛ぶことができたことを示唆する。この新しい化
 石とGansus を直接比較することは不可能であるが(Gansusは足部のみ)、推論に
 基づく系統は、これらを二つの異なるクレードに配置する。新しい化石がエナン
 ティオルニス類の中に最終的に落ち着くのに対し、G. Yumenensis は真鳥類の中
 に落ち着く。この新存在は、このように、とりわけては甘粛省、一般的には中央
 アジア産白亜紀前期鳥類の分類的放散を補強するものである。

 古生物学的記載:エナンティオルニス類、未命名分類群
 材料:(CAGS-IG-02-0901;中国地質科学院)幾つかの骨が関節した左翼及び肩帯
 系統的位置づけについては、エナンティオルニス類である以上の詳細なところは
 不明確としています(系統図では比較的基盤的なようです)。詳細な記載をするに
 不十分なので学名をつけるのは新しい材料が入手されるまで差し控えるとしてい
 ます。