恐竜糞化石と草及び草食動物の初期進化 11.18.05
Dinosaur Coprolites and the Early Evolution of Grasses and Grazers
Vandana Prasad, Caroline A. E. Stromberg, Habib Alimohammadian, Ashok Sahni
SCIENCE VOL 310 pp.1177-1180 18 NOVEMBER 2005
インド、デカン高原にあるPisdura(ハイデラバードの北方)、Lameta層(白亜紀後期、
6700から6500万年前)の、紫/緑薄層状頁岩層から産出した糞化石(コプロライト)につ
いてです。
その中には、植物珪酸体(プラントオパール)が含まれ、少なくとも5つの現生のイネ
科草本が白亜紀末にインド亜大陸に存在していたことが示されるそうです。このこと
から、イネ科植物は、インド亜大陸がゴンドワナ大陸から分離する前に分化し広がっ
たことを示唆するとしています。糞化石中の他の植物珪酸体は、双子葉植物、球果植
物(針葉樹)及びヤシ類に由来し、糞の生産者と疑われるティタノサウルス類は、無差
別に広範囲の種類の植物を食べていたことを示唆します。またこれらのデータから、
長冠頬歯をもつゴンドワナテリアン哺乳類は草食動物だったことが妥当とされるそう
です。ティタノサウルス類の糞化石とされる点については、全てその骨格化石と関連
して産出しているためです。高レベルで植物珪酸体を含む草は、白亜紀後期の草食動
物との共進化あるいは相互作用の結果であることを示唆するとしています。
マスコミのニュースでは、植物食恐竜は一般に「草食」と言われるが、これは初めて
実際に草食をしていたことを示す発見であると報じています。といっても草は主食で
はなかったようです。
ニューサイエンティスト ネイチャーニュース BBC
山陽新聞
参考:植物珪酸体 植物が鉱物をつくる
長冠歯について ゾウの歯とウマの歯