中国南部広東省南雄盆地上部白亜系産の新しいオヴィラプトル科恐竜 9.30.05
記中国南方広東省南雄盆地晩白亜世一新的窃蛋竜類化石
A NEW OVIRAPTORID (THEROPOD: OVIRAPTOROSAURIA) FROM THE UPPER CRETACEOUS
OF
THE NANXIONG BASIN, GUANGDONG PROVINCE OF SOUTHERN CHINA
LÜ Jun-Chang(呂君昌) ZHANG Bao-Kun(張宝堃)
古生物学报 ACTA PALAEONTOLOGICA SINICA 2005 Vol.44 No.3 pp.412-422
北京自然博物館が1995年、広東省南雄盆地始興県で採集した化石を記載しています。オ
ヴィラプトル科の新属新種として Shixinggia oblita gen. et sp. nov.(遺忘始興竜)
と命名されています。
属名は化石が採集された始興県から。属名はラテン語で忘れ去られたの意味。標本が95
年の発見以来今まで記載されてこなかったためです(2003年に短報)。
完模式標本:殆ど完全な仙椎骨、前に3個の胴椎、後ろに3個の尾椎骨が自然のまま関節
している。2個の不完全な肋骨、両腸骨、大腿骨の一部、脛骨、腓骨及び第4趾。
北京自然博物館 BPV-112
寸法の一部:3個の胴椎長は25mm、仙椎長はS1からS3が27mm、S4からS7が30mm。腸骨の
寛骨臼前突起長は75mm、寛骨臼後突起は167mm、高さは78mm、寛骨臼幅は83mm。
産地と層準:広東省始興県陸源 坪嶺層(Pingling マーストリヒシャン)
分類基準:腸骨の寛骨臼前突起と寛骨臼後突起の末端はよく似ていて、鈍角である。ま
た、その腹側縁は寛骨臼の背側縁より高い。寛骨臼後突起に比べ寛骨臼前突起が短い。
腸骨の長さに対する高さの比率は0.32.大腿骨近位端近くの前部近心面に大きい孔があ
り、比較的小さい孔が脛骨近位端にある。
議論では、この孔は鳥類のように気嚢が骨格中に入る憩室の入り口かもしれないとして
いるとともに、オヴィラqプトロサウルス類の長骨に含気化があった直接証拠かもしれ
ないとしています。オヴィラプトル科内の系統的位置づけについて本文中には明確な系
統図などは示されていませんが、含気化した後肢から、より派生したオヴィラプトロサ
ウルス類としています。
アブストラクトでは以下のような特徴があるとしています。
腸骨の寛骨臼後突起に比べ寛骨臼前突起が短い、腸骨の高さ(寛骨臼の中心より上)対長
さの比率の値が大きいが、寛骨臼前突起及び寛骨臼後突起の腹側縁は、寛骨臼の背側縁
よりはるかに高い。Shixinggia には、大腿骨の転子稜の前部近心面に1つの大きい孔が
あり、脛骨近位端に1つの小さい孔があるという特異な特徴があるが、これらの孔は他の
いかなる既知のオヴィラプトルサウルス類でも報告されていない。これは、2003年に報
告されたHeyuannia huangi(黄氏河源竜) につぎ、中国南部産オヴィラプトロサウルス
類の2番目の新属である。