しくじったティラノサウルス、襲った獲物生き延びる 8.18.05
17日付読売新聞
米モンタナ州の約6750万〜6500万年前(白亜紀後期)の地層から、ティラノサ
ウルスに襲われたトリケラトプスの化石を、米シェナンドア大学のジョン・ハップ博士
が発見した。かまれた跡がトリケラトプスの角などにあったが、骨が再生していたこ
とから殺されずに生き延びたらしい。
史上最強の肉食動物とも言われるティラノサウルスは、死んだ動物を食べていた
可能性が最近の研究で指摘され、生きた動物を襲っていたかどうかは議論が分か
れていた。
見つかったトリケラトプスの角は、ティラノサウルスにかまれ3分の1以上が失われ
ていた。角のほか「えりかざり」にもかまれた跡があった。
エックス線で調べたところ骨の再生が確認できた。生きたトリケラトプスを襲った証
拠が確認されたのは初めて。
実際に狩りをしたと見られるティラノサウルスの歯形が見つかったのは、エドモント
サウルスの尾に続いて2例目。国立科学博物館の真鍋真主任研究官は「狩りに失
敗することが頻繁にあったとは考えにくく、化石が見つかるのは珍しい」と話している。