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モンゴル南西部ネメグト層産の新オヴィラプトル科恐竜 7.16.05
 New Oviraptorid Dinosaur (Dinosauria: Oviraptorosauria) from
 the Nemegt Formation of Southwestern Mongolia
 Junchang Lu(呂君昌), Yukimitsu Tomida(冨田幸光), Yoichi Azuma(東洋一),
 Zhiming Dong(董枝明) and Yuong-Nam Lee
 Bull. Natn. Sci. Mus.. Tokyo, Ser.(国立科学博物館研究報告) C. 30, pp.95-130. Dec. 22, 2004

 モンゴル南西部白亜紀後期(mid-Maastrichtian)ネメグト層産の新しいオヴィラ
 プトル科 Nernegtia barsboldi gen. et sp. nov.を記載しています。
 1996年夏に採集された、殆ど完全な頭蓋を含む、不完全なオヴィラプトル科骨格
 (GIN100/2112)で、当初はIngenia sp.とされていましたが、頭蓋形態がIngenia
 とは異なることから新属新種として記載されたものです。属名は採集されたネメ
 グト盆地から。種小名はモンゴルの古生物学者リンチェン・バルスボルド博士に
 献名です。

 分類基準として、鼻骨から前上顎骨にかけて稜があり、その前縁(前上顎骨の鼻
 骨突起)は殆ど垂直である;前上顎骨の鼻骨突起は、稜の一部をなすが、その背
 側観ではかろうじて見え、前頭骨の前後長は頭頂骨の前後長のおよそ1/4である;
 方形骨にある突起は、方形頬骨の内側面の臼に凸面をなして突き出ている。方形
 骨の下顎顆は後頭顆に対し吻側にある。
 
 系統解析ではNerncgtia balsboldiCitipati osrmolskae 最も近縁とされて
 います。