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T-REXと走鳥類における性別を特定する繁殖組織 6.03.05
 Gender-Specific Reproductive Tissue in Ratites and Tyrannosaurus rex
 Mary H. Schweitzer, Jennifer L. Wittmeyer, John R. Horner
 サイエンス6月3日号 Science, Vol 308, Issue 5727, 1456-1460 , 3 June 2005
 DOI: 10.1126/science.1112158

 ロッキー博物館所蔵のT-REX標本、MOR1125の大腿骨を調べ、走鳥類(ダチョウ、エ
 ミュー)と比較しています。
 MOR1125は、ヘルクリーク層の基盤で発見された標本で、最大約7千万年前まで遡り
 ます。一連の関節しない非常に保存のよい骨で、死亡時に18歳プラスマイナス2歳
 だったとされています。

 この標本の大腿骨片内部組織には通常の骨組織に見られない構造がありました。こ
 れをダチョウおよびエミューの骨内部組織と比較したところ、産卵期の鳥類にでき
 る密度の低い骨、骨髄骨と同様であることがわかりました。骨髄骨は鳥類が産卵期
 に卵殻用のカルシウムを蓄える前にメスにできます。

 研究者たちはダチョウ、エミューの各時期の骨と比較し、T-REXの骨が産卵期のメス
 のものとしています。また、このことからT-REXと鳥類が同様の繁殖戦略をとってい
 たことがわかり、恐竜と鳥類の関係を強固にするとともに恐竜の性別を判定する客
 観的な手段をもたらすものとしています。
 毎日新聞 読売新聞
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