遼寧省前期白亜紀産の新クテノカスマ科翼竜 5.23.05
A New Ctenochasmid Pterosaur from the Early Cretaceous of Liaoning Province
DONG Zhiming(董枝明) and LU Junchang(呂君昌)
ACTA GEOLOGICA SINICA(地質学報英文版) vol.79 No.2 pp.164-167 2005年4月
アブストラクト
遼寧省前期白亜紀産の殆ど完全な下顎に基づき、新しいクテノカスマ科翼竜:
Liaoxipterus brachyognathus gen. et sp. nov. が建立された。Liaoxipterus
brachyognathus 遼西産の頭蓋を保存する他のいかなる既知の翼竜とも異なり、
その下顎結合の前部がある辺縁部は膨大し、両側の第4歯槽間で最も広がって
いる。Liaoxipterus brachyognathus は以下の形質に基づきクテノカスマ科に
属する;下顎の丸くなった先端は、へら形で背腹側に平たくなり、歯列の目だっ
た異歯性はない。それは他のクテノカスマ科翼竜と比べ比較的少ない数の歯しか
ない点で異なっている。Liaoxipterus は、膨大した下顎結合前部がある、
Anhanguera piscator や Coloborhynchus robustus のようないくつかのオルニ
トケイルス科とも区別されるが、そこで新しい翼竜の歯はそれほど変化してい
ない。
遼寧省産のクテノカスマ科翼竜にはEosipterus yangi 、Beipianopterus
chenianus があり、この標本はそれらの同物異名であるようにもみえるが、これ
らの標本には頭蓋がないので検討できないのだそうです。
属名は遼西+ギリシャ語の"翼"、種小名はbrach-"短い"、gnathus"顎"
産地と層準:朝陽市、九仏堂層
分類基準:他のクテノカスマ科翼竜に比べ少ない歯で区別される。下顎片側に
11本の比較的短い歯がある。