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Runcaria 中期デボン紀の前種子植物 10.29.04
  Runcaria, a Middle Devonian Seed Plant Precursor
  P. Gerrienne, B. Meyer-Berthaud, M. Fairon-Demaret, M. Streel, P. Steemans
  サイエンス10月29日号 29 OCTOBER 2004 VOL 306 pp.856-858

  ベルギーで発見された3億8千5百万年前の植物Runcaria heinzelinii
 石の分析により、この植物が種をつくる植物につながる系統であることが
 わかりました。これは、これまで知られてい最古の種子化石より2千万年
 さかぼのります。

 この化石はほぼ「種」ではあるものの、花粉が付着する部分とメスの生殖
 組織内部を結ぶ解放型管といった、初期の種に特有の特徴が欠けている
 そうです。このような構造をもつ植物を「前種子植物」というそうです。

 種に似たこの構造は、短い指の爪くらいの長さで、らせん状の保護組織上
 に突き出た先端部分は花粉を捕らえる働きをする。また、コップ状器官
 (cupule)と呼ばれる4枚の裂片からなる構造が側面を囲んでいる。このよ
 うなデザインから、最も初期の種子植物の先祖は風を利用して受粉を行っ
 ていたことが示唆されるそうです。

 この化石証拠により、最古の種子植物は3億8千5百万年から3億6千5百
 万年前の間に進化したことが示唆されるそうです。
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