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中国下部白亜系から産出した早成性の鳥類の孵化前の雛 10.22.04
  サイエンス10月22日号 Science, Vol 306, Issue 5696, 653 , 22 October 2004
  A Precocial Avian Embryo from the Lower Cretaceous of China
  Zhonghe Zhou(周忠和) and Fucheng Zhang(張福成)

  中国遼寧省義県金剛山の上部義県層金剛山単層から発見された、孵
 化前のエナンティオルニス鳥類ヒナ化石について報告しています。
 35×22mmの楕円内に体を丸めた形になっています。卵殻は確認されて
 いません。骨格の関節もほとんど完全で、また羽毛も翼や尾の部分に生
 えそろっています。ただ、孵化段階になると頭がクビの位置より上になる
 のですが、この化石は、まだ頭を下げているので、孵化よりほんの少し前
 の段階といえます。

 現生鳥類では、卵殻を破るための卵歯というものをヒナは持っていて、孵
 化後は落ちてしまいます。この化石ではもちろん本物の歯が生えていま
 す。

 骨格がよく関節し、骨化の程度も高いこと、羽毛も生えていること、さらに
 比較的大きい脳をしていることは、早成性の鳥類の特徴だそうです。
 一方、トロオドンやオヴィラプトル科という鳥類に近い恐竜が早成性だった
 ことが示唆されており、早成性という特徴は、その祖先の恐竜から受け継
 がれたものかもしれないとしています。
 読売 毎日
 中国恐竜網