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パタゴニア後期白亜紀産のくちばしのある竜脚類、
 Bonitasaura salgadoi gen. et sp. nov. 9.10.04
 Bonitasaura salgadoi gen. et sp. nov.: a beaked sauropod from
 the Late Cretaceous of Patagonia
 Sebastian Apesteguia
 Naturwissenschaften DOI: 10.1007/s00114-004-0560-6 Issue: Online First

 アブストラクトほにゃ訳
 鳥盤類と獣脚類恐竜は、白亜紀の間、形態的に様々だった。対照的に竜脚類は
 比較的保守的であった。パタゴニアの白亜紀地層から産出した新しい9mのティ
 タノサウリア類竜脚類である、Bonitasaura salgadoiの解剖構造から、竜脚類
 の解剖学的な多様性が予期されない物を含んでいたことを示唆する。
 その珍しい長方形の下顎は、幅の狭い、前方に限られた歯をもち、おそらく植
 物質の物をギロチンにかけるために働いた、無歯域を覆う鋭いケラチン質の鞘
 に関する証拠を示す。
 この発見は、ティタノサウルス類は、論争の的となっている属、Antarctosaurus
 の下顎において既に示唆されていたように、いくつかの基盤的ディプロドクス
 上科のものと同様の下顎形状を獲得したことを明確に示す。
 この口腔の構成、くちばしのような構造、および頭蓋の形は、ローラシアの鳥
 盤類で一般的に見られる特色に類似し、南方大陸ではほとんど言外である。
 竜脚類の高度な形態的多様性は、南半球の不十分にしか表されていない鳥盤類
 のクレードと一致しているように見える。

 アルゼンチン北西部、リオ・ネグロ州、Cerro Policia、"La Bonita"丘化石発
 掘地から発見された、ティタノサウルス類恐竜の記載です。
 Bajo de la Carpa 層最下部(Santonian)の河川砂岩層から産出しました。

 ティタノサウリア類の新属新種として
 Bonitasaura salgadoi gen. et. sp. nov.
 と命名されています。属名は産出地+saura、種小名はアルゼンチンの古生物学者
 Leonardo Salgado に献名しています。

 完模式標本MPCA300は、部分的に関節した亜成体骨格で、左前頭骨、左涙骨、右
 歯骨、2個の頚椎骨、6個の胴椎骨、12個の尾椎骨、2個の血道弓、頚肋骨、胴肋
 骨、上腕骨、橈骨、2個の中手骨、大腿骨、脛骨、2個の中足骨があります。

 今のところ歯骨の歯槽の減少、歯骨の中部から後部の無歯域が鋭い背側のエッジ
 を形成していることなど、頭蓋の特徴を分類基準としています。

 その形質から、Bonitasaura は後期白亜紀マダガスカルのRapetosaurus、モン
 ゴルのNemegtosaurus および Quaesitosaurus と近縁としています。