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Archaeopteryx の鳥類性と内耳 8.05.04
  ネイチャー8月5日号Nature 430, 666 - 669 (05 August 2004); doi:10.1038
  The avian nature of the brain and inner ear of Archaeopteryx
  PATRICIO DOMINGUEZ ALONSO, ANGELA C. MILNER, RICHARD A. KETCHAM,
  M. JOHN COOKSON & TIMOTHY B. ROWE

  始祖鳥Archaeopteryx が発見されてから140年あまり。最も原始的な鳥類
 として知られていますが、その飛行能力については、まだ議論のあるところ
 です。
  執筆者たちは、始祖鳥ロンドン標本をCTスキャンし、その脳頭蓋を復元す
 る事を試みました。その結果、始祖鳥の脳は、体の大きさが同じ爬虫類より
 大きいが現生鳥類よりは小さい。脳の運動領域や視葉やは発達し、その構
 造は現生鳥類と同様であることがわかりました。また平衡感覚を司る三半規
 管も現生鳥類と同様であり、このことから頭や眼の運動や同調は敏捷だった
 ことが示唆されます。

 復元から推定されるArchaeopteryx の脳容積は1.6mlとなります。これは現
 生鳥類の1/3から1/5の容積ですが、同じ大きさの爬虫類の脳の3倍の容積
 になるそうです。
 
 それで、このような構造と大きさの脳で本当に飛べたのかという問題に関し
 ては、翼竜の脳と比較しています。翼竜においても同様の研究がされていま
 すが、その大きさ・構造はArchaeopteryx と同様なのだそうです。
 ネイチャーニュース
 英自然史博物館ニュース(脳等の復元動画。要クイックタイム) Dino-Birds
 Digital Morphology CTスキャンを行ったテキサス大グループ。脳画像あり。
 ヤフーニュース(読売) 朝日 読売 毎日
 ニューサイエンティスト ヤフー(ロイター) BBC MSNBC
 参考:Lawrence M. Witmer