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中国三畳紀中期から産出した初めてのプロトロサウルス類爬虫類 2.24.04
 First Record of Protorosaurid Reptile (Order Protorosauria) from the
 Middle Triassic of China
 LI Chun 地質学報英文版vol.77No.4 Dec.2003 pp.419-423

  タニストロフェウスは、三畳紀の爬虫類の中では例外的に、その長い頚部
 で一般にも知られています。この論文ではヨーロッパ、中東及びアメリカ以
 外で初めて発見されたタニストロフェウス科であり、さらに上のクレードで
 いえば中国で初めて発見されたプロトサウルス類爬虫類を記載しています。

 Dinocephalosaurus orientalis gen. et sp. nov.
 Tanystropheus とは前上顎骨、上顎骨、頬骨および頭頂骨の形で区別される
 そうです。プロトサウルス類およびタニストロフェウス科の進化と分布を研
 究する新たな手がかりとなるとともに、東部テチス動物群及び三畳紀のヨー
 ロッパ中国南部の古生物地理関係を研究するために重要としています。

 2002年、中国貴州省Panxian,Xinminの関嶺層(Guanling Fm.三畳紀中期Anisian)
 で発見された、3個の頚椎骨がついた殆ど完全な頭蓋です。
 属名は恐ろしい頭蓋のトカゲ、種小名は、この分類群がテチス東部に分布し
 ていることから。
 分類基準としては−前上顎骨は鼻孔後端まで背側に伸びている;上顎骨は比
 較的長く頑丈で、外鼻孔縁に入り、鼻孔前部から眼窩中央部を越えて伸びて
 いる;頬骨には後部突起がない;前上顎骨と上顎骨両方ともその下縁は凸状
 で、"犬歯"のような歯が両方ともある;頭頂骨表面は幅広く平ら;下顎の関節
 後方突起は小さい−ということがあげられています。