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中生代鳥類に関して新しい栄養特殊化を記録する中国産の新しい白亜紀前期化石
New Early Cretaceous fossil from China documents
a novel trophic specialization for Mesozoic birds
Lianhai Hou(侯連海)・ Luis M. Chiappe ・ Fucheng Zhang(張福成) ・
Cheng-Ming Chuong
Naturwissenschaften (2004) 91:pp.22-25

 中国遼寧省義県産出の鳥類化石が報告されています。細長く先細で湾曲する嘴骨と
下顎骨、歯列はその嘴側先端に少数の歯がある、という形質をそなえています。頭蓋
より後方の形質について、叉骨枝は背側より腹側が幅広い、中央部分が凹面になって
いる上腕骨頭の近位部、大中手骨より遠位に突出する小中手骨、というものから、真
反鳥類の中に位置づけられるそうです。

また他の分類基準として、胸骨の外側突起はヘラジカの角のように3つに枝分かれし、
遠位が広がっていることがあがっています。
頭蓋推定長が36.0mm、烏口骨長が14.0mmという大きさ。体全体に羽毛の痕跡も残って
います。
しかし、頭蓋形態から、嘴を突き刺して食餌するというこれまで知られていない特殊な
食性をしていたことが示唆されます。この発見から中生代鳥類の基盤的系統中にこの
ような採食行動が存在したことを支持する初の証拠がもたらされるものです。

Longirostravis hani gen. et sp. nov.
属名はその長い嘴から、種小名は発見者のHan氏にちなみます。
義県層上部から産出。

採食行動について、ここでは泥の中に嘴を入れてミミズやゴカイなどの類や二枚貝を探
すのに最適としています。