西ヨーロッパ産デボン紀の四肢動物化石 1.28.04
Palaeogeography: Devonian tetrapod from western Europe
ネイチャー1月28日号 Nature 427, 412 - 413 (29 January 2004)
GAEL CLEMENT, PER E. AHLBERG, ALAIN BLIECK, HENNING BLOM, JENNIFER A. CLACK,
EDOUARD
POTY, JACQUES THOREZ & PHILIPPE JANVIER
ベルギーで19世紀に発見され、魚の顎とされていた化石が、実はイクチオス
テガIchthyostega に近縁の四肢動物の下顎だったことがわかりました。
この化石はStrudというところでデボン紀後期Famennian期(約3億6千5百万年前)
Evieux 層から産出したものです。
イクチオステガはこれまでグリーンランドからしか発見されていません。当時、
グリーンランドとベルギーは共にユーラメリカン大陸の一部でしたが、両者の
距離は少なくとも1,500km離れていたと考えられています。
初期四肢動物の化石は、このあと石炭紀になると約2000万年の間"ローマーの空
白 Romer's gap"という化石記録に乏しい期間を迎えます。今回の報告で、南部
のゴンドワナに起源を発するそれ以前の四肢動物の分布に新しい知見を加えた
ものといえます。
参考:イクチオステガ
Gaining Ground The Origin and Evolution of
Tetrapods(インディアナ大)
手足を持った魚たち-脊椎動物の上陸戦略 (講談社現代新書)