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ティタノサウルス属の再検討 12.01.03
  A revision of Titanosaurus Lydekker (Dinosauria-Sauropoda), the first dinosaur
  genus with a "Gondwanan" distribution
  Jeffrey A. Wilson & Paul Upchurch
  Journal of Systematic Palaeontology 1(3):pp.125-160

  Titanosaurus はLydekkerにより1877年に記載されて以来、14種が記
 載されています。地理的にはアルゼンチン、ヨーロッパ、マダガスカル、
 インドそれにラオスに及び、年代的にも6千万年の広がりを持っています。
 しかし、この14種についてこれまで再検討されてきませんでした。

 本論文ではティタノサウルス属の14種の発見と記載の歴史から説き起
 こし、各種について検討しています。
 
 その結果、驚くほどたくさんの種がティタノサウルス属として無効とされて
 います。残ったのは僅かに5種。しかも模式種であったT.indicus も、廃さ
 れた形質に基づいているため、無効とされました。その結果、本論文では
 ティタノサウルス属、ティタノサウルス亜科、ティタノサウルス科、ティタノ
 サウルス上科まで放棄されました。ティタノサウルス類Titanosauria のみ
 有効とされています。

 残った5種については、以下のとおり
 Neuquensaurus (='Titanosaurus') australis
 Magyarosaurus (='Titanosaurus') dacus
 Laplatasaurus (='Titanosaurus') araukanicus
 Peiropolis産の'Titanosaurus' 種
 および'Titanosaurus' colberti です。

 最後のものについては、その保存のよさなどから、本論文で新属として
 記載しています。
 ISISAURUS 新属
 Isisaurus colberti (Jain & Bandyopadhway, 1997)
 Isi はインド統計研究所(Indian Statistical Institute)。ここはインドの古脊
 椎動物標本の大部分を所蔵し、ここの研究者が模式標本を発見・記載し
 たからとのことです。