カナダ、アルバータ白亜紀後期産ティラノサウルス科恐竜の頭蓋
構造 7.03.03
Cranial anatomy of tyrannosaurid dinosaurs from the Late
Cretaceous of Alberta, Canada
Philip J. Currie
Acta Palaeontologica Polonica 48 (2), 2003: 191-226
アブストラクトほにゃ訳
アルバータ(カナダ)産の、美しく保存されほとんど完全な獣脚類骨
格は、北米ティラノサウルス科の分類上の位置づけの再評価を許す
ものである。系統関係の最節約解釈からは、Albertosaurus (sensu
Russell 1970)は、以下の二つの属への分離を導くと結論づけられて
いる-Campanian期のDinosaur Park層から産出したGorgosaurus
libratus と、upper Campanian/lower Maastrichtian期のHorseshoe
Canyon層から産出したAlbertosaurus sarcophagus に。
Albertosaurus とGorgosaurus は近縁であるが、Daspletosaurus、
Tarbosaurus、および
Tyrannosaurusを含む別のティラノサウルス科
クレードの中で属の区別を正当にするのに知られている形質より、
多くの形質で区別することができる。Daspletosaurus は、地理的、
生態的および時間的に広範囲にわたる複数の種から知られている
が、Tyrannosaurus とその属の区別を維持していくことは賢明であ
る。全てのティラノサウルス科の種には、一貫した個体発生上の傾
向がある。しかしながら、多くの形質が年齢よりもサイズに依存して
いるので、個体発生段階を評価する際には注意深くする必要があ
る。どのような年齢であってもティラノサウルス科の属を区別できる
ような個体発生上の差異は比較的少ない。たとえば、
Nanotyrannus lancensis は、他のいかなるティラノサウルス科属に
おいても歯の数の個体発生上の減少の証拠は見られないので、恐
らくTyrannosaurus rex とは別個の属であろう。上顎骨窓のサイズ
や形状のようないくつかの形質は、成体のティラノサウルス科を分
けるのにはよいが、幼体の種を同定するには役立たない。