中国遼寧省産出の原始的鳥類 Sapeornis chaoyangensis
  の解剖構造 6.23.03
  Anatomy of the primitive bird Sapeornis chaoyangensis
  from the Early Cretaceous of Liaoning, China
  周忠和、張福成 Can. J. Earth Sci.40(5): 731-747 (2003)

  Sapeornis は、2002年にNaturwissenschaften誌で本論文
 記載者により記載されました。Archaeopteryx を除く最も原始
 的な鳥類とされています。

 本論文では、朝陽市上河首と太平房の九仏堂層から産出した
 2体の殆ど完全に関節した新しいSapeornis chaoyangensis
 標本を記載しています。特に頭蓋、肩帯、前肢、後肢について
 前論文の標本よりはるかに多くの情報を得ることができたそう
 です。

 以下アブストラクトからほにゃ訳
 "2-3-2"の指節構造があるその手は、以前復元されたよりも
 派生的である。またその骨格には以下のような独特の特徴が
 ある-上腕骨の近位端にある著しく伸びた窓、際立った叉骨突
 起がある頑丈な叉骨および長く伸びた前肢。Sapeornis には
 派生的形質と原始的形質の組み合わせが見られるが、その
 中には(Archaeopteryx のように)短く頑丈で、支柱状でない烏
 口骨および、足根関節遠位端に達する腓骨、ならびに(より派
 生した鳥類のように)尾端骨、退縮した手の指および十分に癒
 合した手根中手骨が含まれる。これらの特徴からさらに、鳥類
 の初期進化におけるモザイクパターンが示され、初期鳥類系
 統においてその基盤的位置がArchaeopteryx および
 Jeholornis に近いことが確認される。新標本の1つに保存さ
 れている胃石からも、そのような証拠で植物食性を示す最初
 の中国の中生代鳥類であることを表すとともに初期鳥類進化
 における食性多様化に関する理解に一層の証拠を提供する。