マダガスカル、白亜紀後期産の小型アベリサウルス類(恐竜、獣脚類)、
MASIAKASAURUS KNOPFLERI の骨学 10.27.02追加
THE OSTEOLOGY OF MASIAKASAURUS KNOPFLERI, A SMALL ABELISAUROID
(DINOSAURIA: THEROPODA) FROM THE LATE CRETACEOUS OF MADAGASCAR
MATTHEW T. CARRANO, SCOTT D. SAMPSON, and CATHERINE A. FORSTER
Journal of Vertebrate Paleontology: Vol. 22, No. 3, pp. 510-534.
ネイチャー2001年1月25日号に掲載された奇怪な恐竜の詳細な記載。
Masiakasaurus knopfleri は全骨格の40%ほどが知られている。顎骨、
椎骨、前肢、腰帯、後肢が含まれている。顎は著しく派生し、異歯性の
水平に伏せた歯があるが、それは恐竜すべてにわたってほかに見られな
いものである。脊椎骨は、神経棘の退縮、椎体の側腹窩の欠如および広
範囲にわたって含気化した神経弓ある点で、アベリサウルス上科のもの
と同様である。肢骨格は比較的華奢で、丸い上腕骨頭、ペグとソケットの
ような、腸骨と恥骨の関節、大腿骨の著しい内側上顆、膨大した脛骨突
起および両面に溝のついた足の末節骨などが含まれる、多くのアベリサ
ウルス上科の共有派生形質を有している。大腿骨と脛骨には二形性の
証拠がみられる。Masiakasaurus、アルゼンチンの Noasaurus およびイ
ンドの Laevisuchus の間により多くの特徴が共通することから、この動
物群がアベリサウルス上科内のノアサウルス科を形成することが示唆
される。このことは158の形質と23の獣脚類分類群による分岐系統分析
により支持される。くわえて、ケラトサウルス類は、コエロフィシス科を除
くテタヌラ類とネオケラトサウルス類間の関係で姉妹群であることを支持
する側系統になる。Masiakasaurus の歯と顎の特殊化から、典型的な獣
脚類の食性から逸脱していることが示唆される。結局、ノアサウルス科の
分散は、白亜紀後期にむかって南アメリカ、マダガスカルおよびインドの
共有する生物地理史をさらに支持するものである。