ブラジル下部白亜系産のスピノサウルス科(恐竜:獣脚類)、
  IRRITATOR CHALLENGERI 10.27.02追加
  IRRITATOR CHALLENGERI, A SPINOSAURID (DINOSAURIA: THEROPODA)
  FROM THE LOWER CRETACEOUS OF BRAZIL
  HANS-DIETER SUES, EBERHARD FREY, DAVID M. MARTILL, and DIANE M. SCOTT
  Journal of Vertebrate Paleontology: Vol. 22, No. 3, pp. 535-547.

  ブラジル北部Romualdo層群Santana層(下部白亜系)産の
  Irritator challengeri Martill et al., 1996 完模式標本はこれまで知られて
 いるうちもっとも完全なスピノサウルス科の頭骨がある。現在十分に剖出
 された標本からは、これらの謎めいた獣脚類における頭部の構造につい
 てはるかに多くの新情報がもたらされる。頭骨は著しく幅狭く、特に伸びた
 鼻骨部で狭い。上顎骨は中線に沿って幅広く接し、幅広い二次口蓋を形
 成する。上顎歯は直状あるいはわずかに湾曲し、薄い、溝のついたエナメ
 ルと、はっきりしているが平滑な切縁がある。Baryonyx walkeri のように、
 涙骨の前側および腹側突起は、ほとんどの非鳥獣脚類よりも鋭角をなし
 ている。脳函は前後方向に短いが背腹方向に長く、後頭顆のはるか下ま
 で腹側方向に伸びている。Irritator challengeri は、その歯の構造では
  Spinosaurus aegyptiacus にもっとも近縁であるが、二つの分類群のより
 広範な比較は、後者の知られている頭骨部資料が限られるため、現在の
 ところ不可能である。