中国内蒙古自治区から発見されたテリジノサウルス類 11.14.01
内蒙古上白亜統ニ連組一長頸的鎌刀竜類
A LONG-NECKED THERIZINOSAUROID DINOSAUR
FROM THE
UPPER CRETACEOUS IREN DABASU FORMATION OF NEI MONGOL,
PEOPLE'S REPUBLIC OF CHINA
張暁紅、徐星、趙喜進、ポール・セレノ、匡学文、譚林
古脊椎動物学報第39巻第4期
VERTEBRATA PALASIATICA Vol.39 No.4 pp.282-290
内蒙古自治区上部白亜系イレン・ダバス層から産出したテリジノサウルス
上科化石の記載です。
Neimongosaurus yangi gen. et sp. nov.(楊氏内蒙古竜)と命名されました。
属名は産地の内蒙古、種名は楊鐘健(C.C.Young)にちなんだものです。
産地は内蒙古自治区、Sunitezuoqi、Sanhangobi(Erlian市から南東20km)。
年代はSenonian(Turonian から Maastrichtian の間をいうそうです。9,100
万年前から6,540万年前の間)。
体長2-3mと見積もられています。
一個体の環椎を除く全ての頚椎および殆ど全部の長骨が保存されていま
す。他のテリジノサウルス類と異なる特徴として、以下の諸点があげられて
います。前部尾椎の横突起下に円形窩がある、著しく発達した上腕2頭筋
結節をもつ橈骨、よく発達した踵のある近位趾骨、脛骨長の半分より著しく
長い腓骨稜のある脛骨、前寛骨臼突起の外側面は背側に面を転じ、および
尾椎には広がって分岐する前関節突起がある。
Neimongosaurus は他のテリジノサウルス上科から報告されていない特徴
を有するが、高度に含気化した脊椎骨および発達した肩帯のような、発達し
たマニラプトル類に見られる特徴も見られる。とりわけ長く伸びた頸部と短
縮した尾部から、テリジノサウルス上科とオヴィラプトルサウルス類の近縁
関係がさらに証拠づけられるとのこと。
Neimongosaurus の位置付けは、Beipiaosaurus より派生しているが他の
テリジノサウルス科恐竜より派生していないということです。見つかってい
ない環椎を含め14個もの頚椎骨は、非鳥獣脚類の中で最長です。他のテ
リジノサウルス上科恐竜でも12個以下ということです。一方尾椎骨は25から
30個と見積もられ、Alxasaurus、Caudipteryx およびいくつかのオヴィラプト
ル科恐竜より短いそうです。