戻る

マメンチサウルス・ホチュアネンシスの新標本 11.12.01
  「四川自貢発現合川馬門渓竜新材料」 古脊椎動物学報第39巻第4期
  "NEW MATERIAL OF MAMENCHISAURUS HOCHUANENSIS FROM
   ZIGONG, SICHUAN" VERTEBRATA PALASIATICA Vol.39 No.4 pp266-271
  葉勇、欧陽輝、伝乾明(自貢恐竜博物館)

  中国四川省自貢で1995年12月31日に発見された化石(ZDM0126)の報告
 です。この化石はMamenchisaurus hochuanensis と同定されましたが、完
 模式標本には欠けていた体部分(頭骨、歯、後部尾椎、肩帯および前肢)が
 あり、その意味で重要です。

 このうちアッと驚くのが尾椎末端です。「末端は相互に癒合し、椎体の形態は
 後部尾椎に相似するが、神経弓は著しく膨れ、神経孔のサイズ、神経棘の
 高さも増加している。側面からは"冠状(英文ではとさか状)"に見える。」そう
 です。冠状の尾対末端は竜脚類中初めてで、ハンマー状のシュノサウルス
 などとも明らかに異なります。この機能について報告者たちは防御用武器と
 してだけでなく、神経弓の膨張、神経孔の拡大から、この部分の神経は発達
 して鋭敏な感覚器官となり周囲の環境を感知する能力を持っていたのではな
 いだろうかと示唆しています。

 これまでマメンチサウルスの尾の復元は長い鞭状でしたが、すくなくともこの
 部分はこれから変わることになるでしょう。