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パタゴニアから関節した頭蓋骨を持ったティタノサウルス類胎児9.28.01
  Embryonic Skulls of Titanosaur Sauropod Dinosaurs
  Luis M. chiappe, Loenardo Salgado, Rodolfo A. Coria
  サイエンス9月28日号掲載

  アルゼンチン、パタゴニア、Auca Mahuevoの後期白亜紀、およそ8,350万
 年前から7,950万年前の営巣地からの発見です。
 営巣地は20km以上にわたっているそうです。このことから、ティタノサウルス
 類の集団営巣、またある程度の社会性も考察されるそうです。
 同産地からは数百個以上の卵が発見されています。1998年11月には、同
 産地から胎児の皮膚化石が報告されています。今回もロイターは化石内の
 皮膚化石発見を伝えています。

 今回は、6個のソフトボール大の殻が破られていない胎児骨格の入った卵が
 発見されています。孵化前に洪水により泥の中に埋められたものです。特
 筆すべきことは、初めて関節したティタノサウルス類の頭蓋骨が発見された
 ことです。頭蓋骨の長さは35mm以下とのこと。歯もありますが、その長さは
 2mm以下。体長は300mm以下と見積もられています。
 もちろん頭蓋骨は、眼窩が非常に大きいなど胎児の特徴を示していますが、
 竜脚類の頭蓋骨の進化に関して重要な情報を提供しています。

 第一に外鼻孔の位置についてです。これまで竜脚類の外鼻孔は眼窩の間
 にあるとされていました。しかし、この胎児頭蓋では、その骨の構成から吻
 側にあったとしています。が、その位置のまま成長したのでなく、収縮して
 後方に移動していったとしています。
 第二に、これと連動することですが、脳函が回転するように位置を変えて
 いったとしています。
 第三に、ア眼窩下部が短くなり、イ頬骨が頭蓋骨の腹側部から除外されて
 いったとしています。
 
 研究者たちは、第一と第二は各々別に進化したが、第三のアイは同時に
 進化していったとしています。
 ヤフーニュース CNNニュース BBCニュース MSNBCニュース
 ヤフーニュース(毎日) ナショナルジオグラフィックニュース
 ヤフーニュース(ロイター) サイエンティフィックアメリカン
 参考:Tiniest Giants ロスアンジェルス自然史博の恐竜卵化石サイト
     ユーレカアラート 98年11月皮膚化石
     InfoQuest Foundation 同皮膚化石
     アメリカ自然史博物館パタゴニア展示