スーはそんなに早く走れなかった5.17.01
シカゴトリビューン紙です。先週の土曜日12日にシカゴフィールド博物館
では、T-REX"スー"の序幕1周年を記念して"the Paleobiology
and
Phylogenetics of Large Theropods"というシンポジウムを開催したそうで
す。この記事は11日付けなので、発表者の発表内容の予定ということに
なります。
ニューヨーク州立大のマシューカラノ(Matthew Carrano)は、スーはその
体重のため、早く走ることはできなかったと発表するようです。獣脚類恐竜
の中にも、小型で早く成長し、卵を沢山産む戦略をとった種類と、T-REXの
ように大型で成長が遅く、より少ない卵を産む戦略をとった種類があるの
だそうです。
また、獣脚類がどう立って歩き走ったかは、カリフォルニア大バークレー校
のジョン・ハチソンによる生力学シミュレーションにより示されています。
彼によると、体が大きくなればなるほど、それを支持する伸筋が必要にな
り、14,000から16,000ポンドの大きさの獣脚類がすばやく動くためには、
その体重のほとんどが筋肉であることが必要なのだそうです。
彼はジュラシック・パークのアニメータのコンサルタントをしましたが、そこ
でのT-REXは両脚とも空中に浮くような走り方はしていません。
13日、ロイヤル・ティレル古生物博物館のフィリップ・カリーは、フィールド
博物館で 鳥類、羽毛と恐竜の関連について講演をするそうです。先日
富山で行ったような中身なのでしょう。彼によると、T-REXも幼体時には
保温のため羽毛をまとっていたかもしれないが、成長するとたぶん失わ
れたとしています。彼にはアルバータ産のT-REX皮膚印象化石がある
そうですが、それには羽毛印象はないそうです。
シカゴトリビューン