アーケオラプトルの捏造3.29.01
ネイチャー3月29日号掲載 ブリーフコミュニケーションズ
The Archaeoraptor forgery
TIMOTHY ROWE*, RICHARD A. KETCHAM*, CAMBRIA DENISON*,
MATTHEW COLBERT*,
XING XU(徐星)† & PHILIP J. CURRIE‡
* テキサス大オースティン校、†中国科学院古脊椎動物與古人類研究所
‡ロイヤル・ティレル博物館
あの合成化石、アーケオラプトルをX線CTスキャンによって解析した報告です。
CTスキャンでは化石の長軸方向に1mm厚、0.9mmごとに422の連続した切片
でスキャンされました。その結果、次のようなことがわかりました。
断面について、化石は3層からなっている。一番上の層は、88の個々の、種類の
異なった断片からできている。最低層は、補強に用いられた単一の頁岩である。
中間層は接合に用いられたセメント・しっくいである。
最上層は、3つの相から構成されている。1番目は23片で構成された、鳥類骨格
の前方半分である(徐星らにより新種として記載される)。2番目の相は、26辺で
構成された、化石を補うための骨格後方半分と隣接する断片である。
これらが前方の骨格に自然につながっていた証拠はない。また、脛骨と腓骨は、
片側の骨が2つになった部分と鏡像部分である。3番目の相は、39の断片を含
む。この断片には骨はなく、おそらく加工中に付け加えられた。
CTスキャンに加え、飛ばないドロマエオサウルス類の尾は鳥類の骨格の特徴と
矛盾するし、足にはドロマエオサウルス類の拡大した2番目の爪を欠く。左大腿
骨、分かれている脛骨、腓骨、足、尾が同一固体または種に属する証拠は見い
出せなかった。
我々は、Archaeoraptor は2つ以上の種また少なくとも2、ことによると5つの標本
から組み立てられたものだと結論する。
ネイチャーの同 Supplementary information によると、スキャン自体は99年7月
29日に行われたものです。ここでは、スキャンした画像をデジタルアニメーション
(クイックタイム)で見ることができます。断面の構造が見て取れます。それぞれの
断片の系列なども見ることができます。購読者でないとだめですが。
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