白亜紀後期マダガスカル産の奇怪な新種獣脚類1.24.01 1.25.01追加
  A bizarre predatory dinosaur from the Late Cretaceous of Madagascar
  Scott D. Sampson Matthew T. Carrano & Catherine A. Foster
  ネイチャー1月25日号掲載
  米ユタ大スコット・サンプソンらの研究。マシーカサウルスというそうです。
 Masiakasaurus knopfleri gen. et sp. nov.
 属名はマダガスカル語で意地が悪いとか、癖の悪いという意味だそうです。
 種名は、発掘中その曲をかけていると化石発見の幸運をもたらしたという、グ
 ループDire Straitsのリードシンガー兼ソングライターMark Knopflerにちなんで
 います。

 一つのサイトから少なくとも6個体の化石が発掘されています。いくつかの頭蓋
 部分と頭蓋より後部の約40%が含まれる。体長は約1.8mまで。体重は約35kg
 と見積もられています。ジャーマン・シェパード程度の大きさ。
 マダガスカルの白亜紀後期マーストリヒシャン期、Maebarano 層から産出。
 大型のアベリサウルス科恐竜マジュンガトルスMajungatholus atopus と時代、
 産地を同じくしています。
 発掘地は同島北西部Berivortra 村近くの Majahanga 盆地。

 この恐竜の最も怪奇な特徴は、その歯。あごの骨にある穴の向きから、下顎の
 前歯4本は前方に向かって真っすぐ突き出していたことが分かった。特に一番
 前の歯は水平に前に向かっている。長さ3センチほどの前歯をフォークのように
 使い獲物を突き刺したり、つかんでいたらしい。昆虫、魚、トカゲやヘビ、ほ乳類
 を食べていたと考えられるということです。また後方の歯との異歯性も特徴となっ
 ています。

  99年SVPアブストラクトによると、白亜紀後期アルゼンチン産のノアサウルス
 Noasaurus leali や白亜紀後期インド産のラエヴィスクス Laevisuchus indicus
 と近縁で、ノアサウルス科に属するとしています。が、この論文ではアベリサウ
 ルス上科の中で小型のノアサウルスに近いという書き方をし、ノアサウルス科
 とはしていません。

 また、このことから白亜紀後期までに、ゴンドワナ大陸各地にアベリサウルス上
 科の恐竜が放散していたこと。またゴンドワナ大陸を構成していたマダガスカル、
 インド、南アメリカはまだつながっていたことが示唆される。また北のローラシア
 大陸で大型のティラノサウルス類と小型のオルニトミムス類・トロオドン類・ドロマ
 エオサウルス類に多様化したのと平行してゴンドワナ大陸でもアベリサウルス上
 科が大型と小型に多様化していったのではないかとしています。
 スポニチアネックス 今週のネイチャーの表紙にもなっています。
 読売新聞 ABCニュース BBCニュース ユタ大ニュース(大きい復元図あり)
 MSNBCニュース 毎日フォトジャーナル  サイエンティフィックアメリカン
 ナショナルサイエンスファウンデ−ション(発掘現場写真あり)
 参考:The Madagascar Ankizy Fund マジュンガトルスやラホナビスの発掘について
     ほにゃ訳