毒牙恐竜の証拠発見か10.28.00
SVP総会(10月25日から28日)ネタは全く報道されていませんが、一つ出てき
ました。
毒牙恐竜については、以前ワイト島で発見か?と英の新聞で怪情報が流れた
ことがありました(恐竜学最前線8 P42)。また、映画ジュラシックーパークで、
ディロフォサウルスが毒液を飛ばしていました。
化石上で毒牙とわかるものは、南アフリカで発見された2億5千万年前の哺乳
類型爬虫類、テロケファルス下目のエウカンベルシア(Euchambersia mirabilis)
があり、この歯には深い溝、頭骨には毒腺と見られる空間があるそうです。
また、三畳紀後期の主竜類ウタキトドン(Uatchitodon kroehleri)には毒牙が
あるそうです。
メキシコのMuseo del DesiertoのRuben Rodriguez-de la Rosa によると、バハカ
リフォルニア州、El Gallo累層のカンパニアン後期露頭から獣脚類の歯冠が発見
されたそうです。それは長さ約2cm、ヴェロキラプトルに近い小型の獣脚類、サウ
ロルニトレステスのもののようです。が、他の獣脚類の歯とは異なりセレーション
(歯の縁のギザギザ)がなく、かわりに歯の後ろ側縦方向に2/3以上にわたり溝
が走っているそうです。これは恐竜で毒牙と考えられる最初の例あるとされてい
ます。
これに対して、カナダ、ロイヤルオンタリオ博物館のハンス ディータースーズは
溝はそこで腐敗病原菌を繁殖させるためという方がありうるとしています。その
場で致命傷を与えなくても獲物を倒す戦略は現在のコモドオオトカゲも行ってい
るそうです。
デイリーインサイト