T-REXの名前がなくなる?6.13.00
  と、言っているのは、あの"Sue"を発掘したブラックヒルズ地質学研究所
 ピーター・ラーソンです。彼らはサウスダコタ州Perkins郡の牧場で恐竜化石を
 発掘しました。昨年12月、牧場主Bucky Derflingerが彼の一家の所有地で発
 見したものです。

  そこは、エドワード・ドリンカー・コープが1892年にマノスポンディルス
 (Manospondylus gigas 薄い脊椎 巨大なの意)を発掘・記載したのと同じ地
 域です。これは、頚椎の標本に基づいて命名されたもので、コープはこれが
 1902年にバーナム・ブラウンに発見され、1905年にヘンリー・オズボーンによっ
 て記載されたT-REX(Tyrannosaurus rex)と同じものとするには十分な情報を
 持っていなかったと、ピーターは言います。

 ご存知のように、学名は国際動物命名規約第23条により、先取権の原則が
 規定されており、有効名は適格名のうち最古参名を適用することとされてい
 ます。ブロントサウルスがアパトサウルスになったのも、この適用があったた
 めです。もし、両者が同一種と認められれば、マノスポンディルスが有効名に
 なることも考えられます。

  一方、サウスダコタ鉱物技術学校の古生物学者、Carrie Herbelは、学名
 の変更は確実なことではない。それには、両者が同一種であるという、圧倒
 的に確実な証拠が必要だと話しています。

  ラーソンの発掘した化石は肋骨、椎骨、顎骨、頭蓋骨の一部などであり、
 これがコープのマノスポンディルスと同じものであるとともに、T-REXの学名
 を脅かすことになることを個人的には憂慮しているようです。
 この化石はE.D. Copeとニックネームがつけられました。オスの成体で、推定
 体長12.2m、体重6トンとされています。
 ラーソンはアメリカ自然史博物館で化石が同一種の恐竜かどうか研究を指揮
 することを計画するとともに、牧場でさらに発掘することを計画しています。
 ヤフーニュースライン(AP)
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