トリの離陸はジャンプから3.13.00
トリの離陸は羽ばたきより後肢のジャンプによるという研究が公表されてい
ます。
米ロードアイランド州のブラウン大Kathleen Earlsが"The Journal of
Experi-
mental Biology"に発表した研究です。彼女はムクドリとウズラを用いて風呂
場のはかりのような金属プレートから飛び立つときに生成される力を測定しま
した。また、その離陸の最初の数秒を高速ビデオで撮影しました。そしてその
全速度と加速度を計算しました。それらを金属プレートから測定された値と比
べてみました。すると、両者に大きな隔たりがれば、翼が離陸に大きく寄与し
ていることになります。
リポートよると、ムクドリとウズラは両者の形態と生活様式の違いにも拘わら
ず、離陸に関連する速度の80-90%は後肢から生成されています。
ムクドリは我々のようにまず屈んでから後肢を伸ばす型のジャンプをして離陸
する。翼は後肢が地面を離れるとき、下方に羽ばたかれる。一方ウズラは、
屈みこんだ姿勢から始まり、後肢がまだ地面を押しているうちに翼を下方に
羽ばたかせるのだそうです。(ハトでも同様の記録がされました)
低速度の飛行は高速度のそれよりも大きなパワーを必要とします。飛行の起
源についての難問は、トリの祖先が当時の未発達な翼でどうやって大きなパ
ワーをもって離陸できたかということです。
ある理論では、その原始的な翼が役立つスピードに達するまで走ったのだと
いいます。しかし、彼女によれば、現生のトリがジャンプで離陸するのだから、
トリの祖先もジャンプして離陸してとする方がうまい説明だといいます。
トリの祖先の獣脚類が走り回っていて、ジャンプと一緒に羽ばたいたのが、
飛行の起源なのかもしれません。
ネイチャーアップデート
The
Journal of Experimental Biology203, 725-739 (2000)
「鳥は脚で飛ぶ」は、3月13日付けで紹介した「トリの離陸はジャンプから」と
同内容。もちろんこの方がちゃんとした記事です。