アジアにおけるティラノサウルス科の初期進化について11.29.99
Journal
of Paleontology: Vol. 73, No. 6, pp. 1176-1178
真鍋真研究官(国立科学博物館)要旨.
手取層群の下部白亜紀系から発見されたティラノサウルス類の分
離した上顎歯は、タイで発見されたシャモティラヌスとあわせて白亜
紀前期にティラノサウルス類がアジアに生息していたことを完全に示
すとともに、ティラノサウルス類が白亜紀初期のアジアに起源を発し、
この時代、地峡でつながっていた北米大陸に渡っていったことをさら
に支持する。
ティラノサウルス科の左右に厚い前上顎骨歯は、体や頭の大型化に
伴う特徴だと考えられてきたが、大型化以前に出現した特徴である
可能性が指摘できる。よって、この部分の歯の使い方など、機能的な
意味合いがあるのかもしない。 上顎歯の厚みはティラノサウルス類
の進化の中で体のサイズの大型化より先行したようである。
参考:発見のニュース(’97年5月)