羽毛をもつテリジノサウルス5.27.99
ネイチャー5月27日号掲載。中国のXing Xu, Zhi-lu Tang(唐治路)と
Xiao-lin Wangの研究。
中国遼寧省で発掘された新種のテリジノサウルス類ベイピャオサウルス
(Beipiaosaurus inexpectus gen. et sp. nov.予想外の北票竜という意味
でしょうか)には羽毛状の構造物が認められるそうです。
これまでテリジノサウルス科(セグノサウルス)の分類については、その
特異な特徴の組み合わせのためにあらゆる恐竜に関連づけられてきまし
た。例えば獣脚類(肉食恐竜)に含める説、古竜脚下目から進化したとす
る説や鳥盤類・竜盤類と並ぶ第3のグループとする説など様々です。
ただ近年は獣脚類とする説が有力だったようです。
今回の発見については、「鳥のルーツを探る」展の図録でも董枝明が、
「−1988年、中国科学院古脊椎動物古人類研究所は同じ遼寧省の現場
で羽毛を持ったドロマエオサウルスとセグノサウルス類に近い恐竜化石を
発掘した。」と、紹介しているものです。
遼寧省北票のイーシャン(義県)累層(白亜紀前期)から発掘されたこの
化石は、コエルロサウルス下目の獣脚類であることを鮮明に証拠づけるそ
うです。竜脚類のような4本指の趾骨はこのグループの中で独自に進化し
たものと位置づけています。
さらに興味深いことは、この恐竜にはシノサウロプテリクス(中華竜鳥)の
ように、体を覆う羽毛状のものがあることです。このことは、羽毛状構造物は
獣脚類に広く認められるものであるかもしれない事を示すとともに、これは鳥
類の羽毛と相同であることを支持するとしています。
DinosaurMLによると、全長約2.2mと小柄。羽毛状構造物は平均50mm最長
70mmということです。腕、後肢、肩の周囲に認められるそうです。
ABCニュースでは植物食だったかもしれないと紹介しています。
ネイチャー
DinosaurML
ABCニュース