電気ウナギは放電を利用して獲物を遠隔操作する 12.05.14
  サイエンス12月5日号ハイライトPDF Vanderbilt大学ニュース(動画あり)
  電気ウナギは獲物を痺れさせて捕えるのかと思ったら、違うようです。放電を利用
 して、獲物の筋肉を遠隔操作しているとのことです。これってホラーSFに使えそう。
 Kenneth Catania.(2014)
 The shocking predatory strike of the electric eel
 Science DOI: 10.1126/science.1260807 アブストラクト

ハイギョから陸上四肢動物の進化を 9.04.14
  マクギル大学 ネイチャーニュース
  水中から陸へどう進化していったのか。興味の尽きないテーマですね。
 アフリカの原始的なハイギョ、Polypterus は、条鰭類で最も原始的とされ、ステム四
 肢動物と相似と考えられているそうです。この研究では、それを8か月間陸上で歩行
 させ、発生可塑性がどのように魚類の「陸生化(terrestrialization)」に影響を及ぼす
 のかを探ったものです。
 すると、胸鰭はより胴に近づけ、尾部は引きずらないようになるとともに、骨の構造や
 筋肉組織も歩行により適応したものに変化していったそうです。研究では、これらの
 陸生化させたポリプテルスで環境により誘導された表現型と、ステム四肢類で起こっ
 た太古の解剖学的変化に、顕著な対応が見られることを明らかにし、環境によって
 誘導された発生可塑性が、四肢類につながる陸上形質の出現を促進した可能性を
 示しているとのことです。
 Emily M. Standen, Trina Y. Du & Hans C. E. Larsson (2014)
 Developmental plasticity and the origin of tetrapods
 Nature 513, 54?58 (04 September 2014) doi:10.1038/nature13708 アブストラクト

シーラカンスは一夫一婦制 9.20.13
  Ruhr大 Bochum
  生きた化石の代名詞、シーラカンスは、体内で卵を孵化させ、稚魚を産むことが知られてい
 ます。しかし、その生殖行動については殆ど知られていませんでした。
 研究材料は、モザンビーク沿岸で誤ってトロール漁にかかった雌(26の胚を持つ)および、ザン
 ジバルでかかった23の胚をもつ雌です。
 雌と胚の間の遺伝子型の14の特徴を比較すると、多くの類似点が発見されました。そこで、
 ヒトにおいても父子関係を判断するのに用いられるマイクロサテライト分析を用いて分析した
 ところ、それぞれ単一の父親からの子孫であることがわかりました。このことから、シーラカン
 スは一夫一婦制をもっているとしています。
 Kathrin P. Lampert, Katrin Blassmann, Karen Hissmann, Jurgen Schauer, Peter Shunula,
 Zahor el Kharousy, Benjamin P. Ngatunga, Hans Fricke & Manfred Schartl.(2013)
 Single-male paternity in coelacanths
 Nature Communications 4, Article number: 2488 doi:10.1038/ncomms3488 アブストラクト

マグロ、カツオ、サバの祖先は恐竜絶滅後、深海魚から放散 9.06.13
  時事
  サバ科の魚のDNA解析により、その共通祖先は白亜紀末の大量絶滅後に深海魚が空いた
 ニッチを埋める形で放散した可能性が高いことがわかりました。
 Miya M, Friedman M, Satoh TP, Takeshima H, Sado T, et al. (2013)
 Evolutionary Origin of the Scombridae (Tunas and Mackerels): Members of a Paleogene
 Adaptive Radiation with 14 Other Pelagic Fish Families.
 PLoS ONE 8(9): e73535. doi:10.1371/journal.pone.0073535 論文

シーラカンスのゲノム解読 7.23.13
  国立遺伝学研究所 東京工業大学岡田研究室
  東工大、国立遺伝学研究所、東大などの研究者により、シーラカンスの全ゲノム配列が解読
 されました。
 タンザニア産3 頭、コモロ産とインドネシア産のそれぞれ1 頭のシーラカンス(現存する2種を網
 羅)のゲノム配列を決定し、大規模な比較ゲノム解析を実施しました。 特に、四肢形成や嗅覚
 に関連する遺伝子について詳しく調べたところ、シーラカンスは水中で生息する魚類であるに
 も関わらず、そのゲノム中には陸生の四足動物(カエルや哺乳類など)に特徴的な遺伝子がす
 でに数多く存在していることが明らかになりました。
 これは、かつて水中に生息していた四足動物の祖先となる魚類が徐々に陸上化を遂げていく
 にあたり、ゲノムレベルではどのような変化が起きていたのかを知るための重要なてがかりを
 与えるものと考えられます。 また、シーラカンスの遺伝的多様性が極めて低いことも明らかとな
 り、この希少種の絶滅回避に向けた本格的な保全活動が急務であることが示されました。
 Nikaido et al.(2013)
 Coelacanth genomes reveal signatures for evolutionary transition from water to land.
 Genome Research 22 July 2013 in press doi: 10.1101/gr.158105.113
 アブストラクト(論文フリー)

シーラカンスのゲノム解読 4.18.13
  AFPBB ネイチャーニュース broad研究所
  四肢動物により近縁なのはハイギョの方だったこと、遺伝子変化は四肢動物に比べ
 はるかにゆっくりだったことなどが明らかになりました。
 Chris T. Amemiya, Jessica Alfoldi, Alison P. Lee, Shaohua Fan, Herve Philippe, Iain MacCallum,
 Ingo Braasch, Tereza Manousaki, Igor Schneider, Nicolas Rohner, Chris Organ, Domitille Chalopin, Jeramiah
 J. Smith, Mark Robinson, Rosemary A. Dorrington, Marco Gerdol, Bronwen Aken, Maria Assunta Biscotti,
 Marco Barucca, Denis Baurain, Aaron M. Berlin, Gregory L. Blatch, Francesco Buonocore, Thorsten
 Burmester, Michael S. Campbel
l et al.(2013)
 The African coelacanth genome provides insights into tetrapod evolution
 Nature 496,311?316(18 April 2013)doi:10.1038/nature12027 論文オープンです。

パラオで原始的なウナギの新種 9.24.10
  産経 NHK IZA
  パラオ島の水深数十mの海底洞窟で昨年3月、パラオ在住の海洋生物研究家、坂上治郎
 さんが9匹捕獲したもの。井田斉北里大名誉教授らと研究したことろ、形態上一般的なウナギ
 類に比べ脊椎骨の数が少なく、独立した尾びれがあるなど特異であること。また千葉県立中央
 博物館でDNA解析したところ、19科あるウナギ類のどれにも属さず、約2億年前に他のウナギ
 類から分かれた、最も原始的なウナギとわかったそうです。
 日本魚類学会で24日発表されるそうです。

ヌタウナギに性腺刺激ホルモン 9.05.10
  時事 新潟大研究トピックス 北里大海洋分子生物学研究室トピックス
  新潟大臨海実験所の野崎真澄所長や北里大海洋生命科学部の高橋明義教授らの
 グループが、最古の脊椎動物であるヌタウナギに生殖腺刺激ホルモンがあることを証
 明しました。
 ヌタウナギの下垂体から生殖腺刺激ホルモン(GTH)のα鎖とβ鎖の遺伝子を同定し、
 下垂体内のGTHの遺伝子発現量やタンパク質が生殖腺の機能状況とよく一致してい
 ること、さらにヌタウナギの下垂体からGTHを化学的に単離し、生殖腺に投与すること
 により、生殖腺から性ホルモンが放出されることを証明しました。
 従来,ヌタウナギには、下垂体は存在するが、機能的なホルモンは分泌されていない
 と考えられてきた常識を覆すとともに、脊椎動物の初期進化の段階で、視床下部−下
 垂体−生殖腺軸が確立されたということを,世界ではじめて明らかにしたものです。
 Katsuhisa Uchida, Shunsuke Moriyama, Hiroaki Chiba, Toyokazu Shimotani,
 Kaori Honda, Makoto Miki, Akiyoshi Takahashi, Stacia A. Sower, and Masumi Nozaki
 Evolutionary origin of a functional gonadotropin in the pituitary of the most primitive
 vertebrate, hagfish
 PNAS Published online before print August 23, 2010, doi: 10.1073/pnas.1002208107
 アブストラクト(論文ダウンロードできます)

淡水エイが問題解決に道具を使用 1.13.10
  BBC
  道具といっても貝殻を使うのではありません。水を道具として使うのです。
 南米の淡水産のエイ、Potamotrygon castexi の能力を試した論文が出ています。
 一端を閉じたプラスチックパイプの端に食物を隠し入れ、エイがどのように食物を
 獲得するか実験すると、水流をつくり、食物を露わにしたそうです。研究者はこれを
 軟骨魚類が道具を使用することが確認された最初の例としています。
 Michael J. Kuba , Ruth A. Byrne and Gordon M. Burghardt
 A new method for studying problem solving and tool use in stingrays
  (Potamotrygon castexi)
 Animal Cognition DOI:10.1007/s10071-009-0301-5

アクアマリンふくしま、シーラカンスの稚魚を撮影 11.16.09
  アクアマリンふくしまプレスリリース 47ニュース NHK
  アクアマリンふくしまは、10月6日インドネシア、スラウェシ島北部マナド湾内で、
 シーラカンスの稚魚を撮影したことを発表しました。世界初です。水深161mの岩の
 小さな割れ目の中にいました。1個体です。稚魚の体長は31.5cmということです。
 生まれて間もないものです。
  今回の発見で、シーラカンスの成魚は他の海域や数百mもの深海ではなく、通
 常の生息環境内で出産し、稚魚は成魚と同様に日中は岩の隙間などに隠れてく
 らしていると考えられます。また、稚魚が発見された岩の割れ目が、成魚が生息
 する場所よりも狭かったことから、シーラカンスは自分の体の大きさに合わせて
 すみ場所を選んでいることが分かりました。

アクアマリンふくしま、シーラカンス撮影成功 9.22.09
  読売新聞 アクアマリンふくしまプレスリリース1 プレスリリース2
  インドネシア北スラウェシ州タリセイ島北部で、9月14日、メスと考えられる個体の
 撮影に成功したそうです。

アクアマリンふくしまでシーラカンス解剖 2.04.09
  プレスリリース 読売新聞 河北新報
  2月3日、4日に昨年11月9日に解剖を実施したシーラカンス標本を再び展示用に解剖
 しました。このシーラカンスは臓器や骨格が見える形で3月1日から同館で展示されます。

姿は違うが…親子と判明 3科の深海魚、DNAほぼ一致 1.24.09
  朝日新聞
  姿形がまったく異なるリボンイワシ科、ソコクジラウオ科、クジラウオ科の3科です。DNA鑑定
 により、雄・雌・子と判明。
 G.David Johnson, John R. Paxton, Tracey T. Sutton, Takashi P. Satoh, Tetsuya Sado,
 Mutsumi Nishida and Masaki Miya
 Deep-sea mystery solved: astonishing larval transformations and extreme sexual
 dimorphism unite three fish families
 Biology Letters DOI 10.1098/rsbl.2008.0722 アブストラクト論文ダウンロードできます
 
岩に登る奇妙なナマズ、新種に認定 1.24.09
  ナショナルジオグラフィック(日)
  ベネズエラのアマソナス州で採集されたナマズには独立して前後に動く、足のように進化
 した胸鰭があるそうです。Lithogenes wahari と命名されました。
 SCOTT A. SCHAEFER AND FRANCISCO PROVENZANO
 The Lithogeninae (Siluriformes, Loricariidae) : anatomy, interrelationships, and description
 of a new species.
 American Museum novitates, no. 3637.

インドネシアでシーラカンス捕獲 12.01.08
  アクアマリンふくしまプレスリリース(PDF)11月25日付
  11月25日にスラウェシ島北部のタリセイ島で捕獲。体長110cm、体重20kgです。

アクアマリンふくしまでシーラカンス解剖 11.10.08
  河北新報 アクアマリンふくしまプレスリリース
  11月9日、アクアマリンふくしまでアフリカシーラカンス冷凍標本の解剖が行われまし
 た。体長121.8cm、体重27.85kg。雌雄は判明しなかったそうです。
 また採取したサンプルはDNA実験に使用するそうです。標本はホルマリン固定後、ア
 ルコール標本として公開されます。
 
サメの「処女受胎」を確認、2例目と 米バージニア水族館 10.11.08
  CNN.co.jp MSMBC
  メジロザメの仲間「カマストガリザメ」のメス「ティドビット」が死に、解剖したら胎内に赤
 ちゃん発見。しかし同水族館で過ごした8年間オスとの接触なし。DNA検査でもオス由来
 の遺伝子はなかたそうです。Journal of Fish Biologyに10日付で掲載とのこと。
 同水族館プレスリリース(PDF)

世界最深海に生きる魚発見 10.07.08
  BBC(動画あり) Planet Earth online(動画あり)
  朝日 毎日 読売(各10〜11日付)
  日本と英の研究チームが日本海溝の深さ7700mの場所でカサゴ目クサウオ科
 のPseudoliparis amblystomopsis(シンカイクサウオ)の生きた群れを撮影すること
 に成功しました。これはこの深さで初めて撮影されたものです。
 参考:超深海底帯底生魚01
 
38年前に発見の化石は新種深海魚 1.21.08
  北海道新聞 青森県立郷土館ニュース
  1970年に青森市の荒川上流で発見された魚化石、アカクジラウオダマシ科の
 新属新種と判明。新属名「ムカシクジラウオ属」及び新種名「アオモリムカシクジ
 ラウオが設定されました。(学名Miobarbourisia aomori)
 記載論文は国立科学博物館の研究報告C(2007 年12 月21 日発行)に掲載さ
 れているそうです。
 1月19日から1月31日まで青森県立郷土館エントランスホールで展示。

腹ぺこだった『生きた化石』 東工大シーラカンス解剖 1.17.07
  読売新聞
  参考:東京工業大学岡田研究室

ザンジバルでシーラカンス釣り上げ 7.16.07
  CNN.co.jp

シーラカンスの卵25個、インドネシア海域で確認 7.01.07
  読売新聞
  アクアマリンふくしまが確認。インドネシアで捕獲されたシーラカンスから。
 アクアマリンふくしまは、6月27日からインドネシアでシーラカンス現地調査をしています。
 プレスリリース(PDF)

紅藻とクロソラスズメダイに共生関係…京大が初確認 8.29.06
  読売新聞
  クロソラスズメダイは紅藻類のイトグサの一種を育て、エサにしているそうです。畑啓生(はたひろき)
 日本学術振興会特別研究員(サンゴ礁生態学)ら京都大の研究グループ。
 日本進化学会で「サンゴ礁の栽培共生―なわばり性スズメダイと糸状紅藻イトグサ―」というタイトル
 で発表します。
 A novel obligate cultivation mutualism between damselfish and Polysiphonia algae
 Hiroki Hata and Makoto Kato
 Biology Letters

【みちのく科学情報】シーラカンス撮影に成功 6.13.06
  サンケイスポーツ12日付
  インドネシアで生きたシーラカンス撮影に成功した、 アクアマリンふくしまの安部義孝
 館長を紹介しています。

アクアマリンふくしま、シーラカンスの撮影に成功 5.31.06
 インドネシア、スラウェシ島ボオール沖で30日、生きたシーラカンスの撮影に成功したそうです。
 ヤフーニュース(河北新報)

サメの電気感覚器官は神経冠細胞から 2.7.06
  サメは獲物を探知したり獲ったりするのに電気信号を感知していますが、その感覚
 器官の起源についてはよくわかっていなかったそうです。フロリダ大の研究者らが、
 ハナカケトラザメの胎児でその器官の元を調べ、神経冠細胞からできたことが判明
 したそうです。神経冠細胞は脊椎動物に普通にあり、胚のうちに移動して、いろいろ
 な細胞や末梢神経に分化するそうです。
 サメにあった器官がヒトに無いのは、ご先祖さまが陸に上がって以来、空気中では電
 気が伝わらないので退化したのではということです。
 フロリダ大ニュース Evolution & Development MSNBC
 参考:神経冠とは

琵琶湖の淡水魚、ワカタは生きた化石と判明 2.6.06
  読売新聞
  滋賀県立琵琶湖博物館の研究で琵琶湖だけに取り残された遺存種と判明。

シーラカンス、タンザニアから東京工業大学へ 11.11.05
  NHK総合のニュースで、今日、よく冷えたシーラカンスが成田空港到着の模
 様を流していました。 シーラカンスが日本に来るのは16年ぶりだそうです。
  シーラカンスがやってきた(シーラカンス寄贈記念式典)
   平成17年11月21日(月) 13:00〜15:20 同大すずかけキャンパスで開催。
    シーラカンス一般公開  15:20〜16:00 すずかけホ−ル3階ホワイエ
    記念学術講演会     16:30〜18:00 生命理工学研究科棟4階大会議室
  岡田研シーラカンス(寄贈経緯など)
  東京新聞

ヤツメウナギのHox遺伝子と顎の起源 3.28.02
  Lamprey Hox genes and the origin of jaws
  ネイチャー3月28日号 Nature 416, 386 - 387 (2002) 
  MARTIN J. COHN  ブリーフコミュニケーション
  顎の発生は、脊椎動物の進化の上で重大な出来事で、単純に言ってもエサの
 とり方が変わった。他の生き物を捕らえて食べるようになったことを意味します。

  ヤツメウナギはご存知のとおり顎のない脊椎動物で、無顎類に属します。
 一方顎のある脊椎動物、有顎類の胚では、顎の軟骨は顎弓という構造から発生
 するそうです。このパターン発生に、Hox遺伝子は何もかかわっていないそうです。

 今回の研究では、ヤツメウナギでは胚の顎弓で1個のHox遺伝子が発現すること
 が明らかになりました。このHox遺伝子が働かなくなることで、顎ができるように
 進化が促されたのでしょうか。
 普通、遺伝子の働きで形成されると思うところですが、こんな例もあるのですね。

シーラカンスは飼えるか? 3.12.02
  福島県いわき市のシンポジウムから 東京新聞

シーラカンス、ネット上でライブ 5.17.01
  南アフリカ北東部のSodwana湾、水深100mで生きたシーラカンスの泳い
 でいるシーンが撮影されたものです。
 わずか12秒ですが、その深さにダイバーがいられる限度だそうです。
 見るには10ドルの支払いが必要です。
 Live Coelacanth Expedition
 CNNニュース BBCニュース MSNBCニュース

14番目のホックス遺伝子 ナメクジウオの不思議 10.12.00
  ネイチャー門バイオニュースです。ナメクジウオを含め全ての動物は、前から
 後ろに体軸を作り出すホックス遺伝子のクラスター(かたまり)を持っています。
 これまでクラスターをつくるホックス遺伝子は最大で13種類知られていました。
 ところがナメクジウオからは14番目のホックス遺伝子が発見されたそうです。
 ほかの動物は進化の過程でホックス遺伝子をなくしていったのです。
 ナメクジウオはこれまで見つかった中で最も豊かで完全なホックス遺伝子を持つ
 動物ということになります。

アロワナは生きた化石だった10.8.00
  鑑賞魚として人気の高いアロワナは、約1億3千万年前から殆ど形態を変えな
 い生きた化石であることが、名古屋大大学院理学研究科の熊沢慶伯講師らの
 研究で明らかになったそうです。
 DNA変化の解明からだそうです。アジアアロワナとオーストラリアアロワナは、
 約1億2千万年前から1億5千万年前にゴンドワナ大陸の分裂に伴い枝分かれし
 た可能性が高いことが解明されました。
 7日から東大駒場キャンパスで開催されている日本進化学会で発表されます。
 古生物サイドから見ても興味を引かれる発表は他にもあります。
 大久保駅から科博新宿分館に歩いていくと途中アロワナ専門店がありますが、
 このニュースを聞くと、別の目で見ることができそうです。
 ヤフーニュース
 中日新聞
 参考:AROWANA WORLD 古代魚の栖

顎と心臓と胸ひれと 脊椎動物の進化の道筋を推理する 6.8.00
  ネイチャーバイオニュースです。
 ゼブラフィッシュという魚における遺伝子の働きの解明の中で、顎と心臓と
 前肢の形成が同じ遺伝子の支配下にあることがわかりました。
 さらに、マウスとニワトリを使った実験で脊椎動物全体を通じて、心臓と前
 肢の発生は共通の経路によって行われることが示唆されたそうです。
 顎もひれもない脊椎動物の祖先から、ひれはあるが顎のない魚、顎のある
 甲冑魚と進化の段階を経てきたのでしょうか。遺伝子の研究が進化のあと
 づけの手がかりとなっています。

シーラカンスの種分化は1,600万年前から11.2.99
  インドネシアで発見されたシーラカンスLatimeria menadoensis
 と、コモロ諸島のLatimeria chalumnaeのDNAを調べたところ、両
 者の種分化は1,600万年前まで遡るだろうことがわかりました。
 最初、フランスの研究者達は約130万年前と報告し、次にバーク
 レーのRoy Caldwellとテキサス大のDavid Hillis他のグループが
 調べたところ、上記の数値が出たそうです。
 
 これは、インド洋の火山活動による隆起及びインド亜大陸がアジ
 アに衝突する時期だそうです。
 地質的な事を種の分化が説明する例と解説されています。

 このニュースは今年3月25日に種の分化の年代について流れま
 したが、どうして9,000km離れた2カ所に生息しているのか理由
 づけがされていないものでした。
 サンフランシスコクロニクル
 参考:BBCニュース
     ナショナルジオグラフィックニュース
     カリフォルニア大バークレー校のシーラカンスページ
     The Fish out of Time

ニュージーランド近海で新種のギンザメ類発見4.1.99
 米フィラデルフィアのAcademy of Natural Scienceのニュースです。
 ギンザメってサメの一種?と、思う方もいるでしょう。サメ、エイ、ギンザメ
 とも軟骨魚綱ですが、サメとエイはそのうち板鰓亜綱、ギンザメは全頭亜
 綱に大別されます。前者の鰓弓は5対から7対ですが、後者は鰓弓が4対
 で、上顎が独立せず頭蓋と一体化しており、歯は癒合して6対の板になっ
 ています。また、オスの頭部や腹びれのあたりに交尾の時に用いられる支
 持器があります。
  ギンザメ類はデボン紀に進化した魚類で、現存の魚類では最も古いタイ
 プです。300から1,000mの深海から発見されたこの魚はChimaera panthera
 と命名されました。属名のChimaera はギンザメ類を指します。一方、種名の
 pantheraはその体表の豹のような模様から名付けられました。
  海にはまだまだ人に知られていない魚類がたくさんいるようですね。

インドネシアのシーラカンス、新種とわかる3.25.99
 昨年インドネシアのセレベス島近海で発見されたシーラカンスがDNA分
 析によりコモロ諸島のものと別種であることがわかったそうです。
 BBCニュース
 参考:UC Berkeley Researchers Announce Discovery of Sulawesi Coelacanths!