三畳紀の原始的な”トビウオ”、進化の解明へ 1.09.15
  ライブサイエンス
  現生のトビウオと同じように水上を滑空する収斂進化をした魚が、三畳紀に生息
 していました。トラコプテルス科です。2012年には中国貴州省の三畳紀中期 の地
 層Falang層(Ladinian)からPotanichthys xingyiensis という新種が記載されています。
 今回、同じ貴州省のFalang層から、同科で最も基盤的な魚が記載されました。
 Wushaichthys exquisitus 新属新種
 属名は産出地Wushaから。種小名はラテン語で絶妙の意
 論文は両者ともオープンなので、標本の図版を比較するだけで、胸ひれや尾びれの
 違いが一目でわかります。素人目にも、これは水上滑空できなかったなと思える種
 ですが、こういう発見により、同科がどのように水上滑空できるよう進化したか解明
 できるのですね。
 Guang-Hui Xu, Li-Jun Zhao, Chen-Chen Shen.(2015)
 A Middle Triassic thoracopterid from China highlights the evolutionary origin of
 overwater gliding in early ray-finned fishes
 Biology Letters DOI: 10.1098/rsbl.2014.0960Published 7 January 2015 論文
 参考:2012年に記載されたPotanichthys xingyiensis 論文

板皮類は、交接器をもち生殖行動していた 10.20.14
  ネイチャーニュース Flinders大学 同大学動画1 動画2 AFPBB
  板皮類は、顎をもった最初の原始的な魚類です。かの、ダンクルオステウスも
 この仲間です。しかし今回の研究では、はるかに小さい種類が扱われています。
 スコットランドのデボン紀中期の地層から産出した、Microbrachius という小型の
 板皮類化石の詳細な研究から、オスに交接器があることがわかりました。
 Microbrachius は板皮類の中でも一番原始的なものの一つなので、全ての板皮
 類は、交接器をもって体内受精していたことがわかったのです。
 筆頭著者の John Long によれば、より進化した魚類は、交接器をいったんなくし
 後にサメなどは独自に交接器を発達させたということです。
 また、これまで板皮類の系統が単系統か多系統か議論があったそうですが、この
 研究では単系統としています。また、かれらは顎のある脊椎動物の共通祖先に極
 めて近い位置にいることになるそうです。
 John A. Long, Elga Mark-Kurik, Zerina Johanson, Michael S. Y. Lee,
 Gavin C. Young, Zhu Min, Per E. Ahlberg, Michael Newman, Roger Jones,
 Jan den Blaauwen, Brian Choo & Kate Trinajstic.(2014)
 Copulation in antiarch placoderms and the origin of gnathostome internal
 fertilization
 Nature (2014) doi:10.1038/nature13825 アブストラクト

白山市産出のシナミア新種記載 10.02.14
  朝日新聞 読売新聞 白山地域振興公社 白山恐竜パーク白峰
  白山市白峰の桑島化石壁から産出した、魚類化石が記載されました。
 シナミア科の新種として、シナミア・ククリヒメと命名されています。種小名は、白山
 比盗_社の祭神、菊理媛にちなんでいます。
 日本古生物学会の専門誌Paleontological Reserchに論文は掲載されます。

シルル紀の大型魚という発見 6.16.14
  ネイチャーアジア
  これまでシルル紀の魚の最大体長は、約35pとされていましたが、体長約1mの大
 型魚Megamastax amblyodus が記載されました。

バージェス頁岩から、顎を持つ魚の祖先、再記載 6.12.14
  ケンブリッジ大 ロイヤルオンタリオ博物館 動画 動画
  脊椎動物は、はじめ、あごを持っていませんでした。しかし、このほど約5億500
 万年前のバージェス頁岩から産出するMetaspriggina という魚の祖先の化石の研
 究により、1対の鰓弓をもつことが確認され、これが顎の第一ステップということです。
 Simon Conway Morris & Jean-Bernard Caron(2014)
 A primitive fish from the Cambrian of North America
 Nature (2014) doi:10.1038/nature13414 アブストラクト

京大院生、新種カワハギ化石発見 アジアで初 5.17.14
  47ニュース 信濃毎日新聞
  17、18日に京都大学総合博物館で展示するそうです。

サメは“生きた化石”ではなかった 4.19.14
  ナショナルジオグラフィック(日)
  
巨大ザメの歯の化石 滑川の小学生が採取 4.08.14
  北國新聞
  メガロドンの歯化石が富山県滑川市と上川市の境の約1700万年前の地層
 から見つかりました。発見者は滑川市の小学5年生中山貴文君。市立博物館
 が専門家に確認。

3億7千万年前の肉鰭類から肢骨の骨髄発見 3.21.14
  ウプサラ大
  四肢骨は移動や体を支えるためだけでなく、骨髄を中におさめている点でも重要
 です。骨髄は造血に重要な役割を担っているからです。しかし骨髄の進化はまだよ
 く理解されていません。
 ウプサラ大のS. Sanchez らが、初期四肢動物に近縁なデボン紀約3億7千万年前
 の肉鰭類Eusthenopteron の上腕骨をシンクロトロントモグラフィーで調べたところ、
 典型的な骨髄組織があることがわかりました。また、骨髄は骨tの相互作用を通して
 鰭の骨を長くするのに大きな役割を果たしたそうです。
 S. Sanchez, P. Tafforeau and P. E. Ahlberg.(2014)
 The humerus of Eusthenopteron: a puzzling organization presaging the
  establishment of tetrapod limb bone marrow
 Proc. R. Soc. B doi: 10.1098/rspb.2014.0299 アブストラクト(論文フリー)

3億1千万年前、生息域を移動する最古のサメ 1.12.14
  ミシガン大学 ニューサイエンティスト
  3億1千万年前に生息していたサメBandringa は、体の半分ほどの長さがあるスプーン状
 の平たい吻部がある、珍しい形をしています。これまでこのサメは淡水性と海水性の2種が
 記載されていました。しかし、新しい研究では、普段淡水に生息していたサメが繁殖と子の
 世話のために海水に移動したものとしています。
 Lauren Cole Sallan & Michael I. Coates.(2014)
  The long-rostrumed elasmobranch Bandringa Zangerl, 1969, and taphonomy within a
 Carboniferous shark nursery
 Journal of Vertebrate Paleontology DOI:10.1080/02724634.2013.782875
 アブストラクト

ゾウギンザメのゲノム解析から顎口類の進化のてがかり提供へ 1.09.14
  AFPBB
  ゾウギンザメのゲノムは、「生きた化石」と呼ばれるシーラカンスをも含めた既知のあらゆ
 る脊椎動物の中で最も進化速度が遅いことから、顎口類のゲノムの比較解析の良いモデ
 ルとなることが分かったそうです。論文がオープンになっています。
 Venkatesh et al.(2014)
 Elephant shark genome provides unique insights into gnathostome evolution
 Nature 505, 174?179 (09 January 2014) doi:10.1038/nature12826 アブストラクト

ペルム紀末に絶滅と考えられていたサメ、白亜紀から歯化石 10.31.13
  AFPBB ディスカバリー ネイチャーアジア(登録必要)
  クラドドン形類サメ類は、体長約30cmの小型で、背鰭の前に突起をもつサメで、約2億5千
 万年前、ペルム紀末の大量絶滅時に絶滅したと考えられていました。
 しかし、フランス南部、1億4000万年〜1億3300万年前の地層から、このグループの歯化石を
 含む化石群が発見されました。実に1億2千万年近いギャップがあります。
 この地層は、当時深海と考えられています。大量絶滅を深海で乗り越えて、生きながらえてい
 たのでしょうか。
 Guillaume Guinot, Sylvain Adnet, Lionel Cavin & Henri Cappetta.(2013)
 Cretaceous stem chondrichthyans survived the end-Permian mass extinction
 Nature Communications 4, Article number: 2669 doi:10.1038/ncomms3669 アブストラクト

現代的な顎を備えた最古の魚 9.26.13
  ネイチャーニュース 中国科学院古脊椎動物与古人類研究所( ) AFPBB
  現代的な顎を備えた最古の動物は、これまでサメのような魚と考えられてきました。しかし、
 中国雲南省のシルル紀4億1900万年前に生息していた板皮類Entelognathus primordialis
 が、記載されています。板皮類の顎は骨板状のもので、私たちを含む顎とは異なるものと
 されています。しかし、この魚の顎は骨で構成されています。
 Entelognathus primordialis
 属名:'enteles'ギリシャ語で完全な+'gnathos'顎
 種小名:ラテン語'primordialis '原初の
 Min Zhu, Xiaobo Yu, Per Erik Ahlberg, Brian Choo, Jing Lu, Tuo Qiao, Qingming Qu, Wenjin
 Zhao, Liantao Jia, Henning Blom & You’an Zhu.(2013)
 A Silurian placoderm with osteichthyan-like marginal jaw bones
 Nature (2013) doi:10.1038/nature12617 アブストラクト

Leedsichthys problematicus の成長速度と体長解明 8.27.13
  自然史系の博物館に行くと、あまりに大きい魚の化石が展示されていて驚くことが
 それがLeedsichthys problematicus です。この化石の組織学や成長レートが再検討
 されました。これを見ると、1歳で体長1.6m、19〜40歳で体長8.0〜16.5mとなっていま
 す。長生きもしたのですね。
 Jeff LISTON, Michael G. NEWBREY, Thomas James CHALLANDS and
 Colin E. ADAMS (2013).
 Growth, age and size of the Jurassic pachycormid Leedsichthys problematicus
 (Osteichthyes: Actinopterygii) : 145?175; in ARRATIA, Gloria, Hans-Peter SCHULTZE
 & Mark V. H. WILSON (editors) (2013):
 Mesozoic Fishes 5 - Global Diversity and Evolution:
 Proceedings of the international meeting Saltillo, 2010: 560 pp. 論文

陸前高田市立博物館復旧作業でサバ化石200点発見 3.19.13
  読売新聞
  東日本大震災で津波被害を受けた同館の復旧作業で、これまで学会報告されていな
 い、サバ化石約200点が見つかったそうです。

古脊椎動物学報2013年第51巻第1号 2.02.13
  pp.1-16
 中国雲南省羅平、中期三畳紀のGymnoichthys inopinatus の再研究
  TAN Kai,?JIN Fan(2013)
  Re-study on Gymnoichthys inopinatus from Middle Triassic of Luoping, Yunnan, China
  Gymnoichthys inopinatusTintori et al. in 2010 により、基盤的新鰭類として記載されました。
 この論文では、雲南省曲靖地区羅平県の中期三畳紀、Guanling(関?)層から産出した新標本に
 より再研究の結果、アミア形類Caturus上科に位置付けられました。同類はこれまでジュラ紀ヨー
 ロッパと北米からのみ発見されていましたが、今回の研究により、中国で初めて発見された同類
 であるだけでなく、世界で最も早期のもので、ヨーロッパや北米産のものより4千万年遡るもので
 す。 論文 中国科学院古脊椎与古人類学研究所ニュース

中国貴州省から最古のトビウオ化石記載 11.08.12
  中国国際放送(日) 中国科学院古脊椎動物与古人類学研究所( )
  これまで最古のトビウオ化石は三畳紀後期のオーストリアやイタリアから報告されていましたが、
 中国貴州省の三畳紀中期の地層から産出した非常に保存のよい化石に基づき、最古のトビウオ
 化石が記載されています。
 Potanichthys xingyiensis 新属新種
 Guang-Hui Xu, Li-Jun Zhao, Ke-Qin Gao and Fei-Xiang Wu(2012)
 A new stem-neopterygian fish from the Middle Triassic of China shows the earliest over-water
 gliding strategy of the vertebrates
 Proceedings B  doi: 10.1098/rspb.2012.2261 論文

新種シーラカンス、テキサスで発見 10.30.12
  ナショナルジオグラフィック(日) サザンメソジスト大ニュース
  米、テキサス州で産出したシーラカンス化石として最も年代が新しいもので、約1億年前に生息し
 ていたものです。Reidus hilli と命名されています。
 John Graf(2012)
 A new Early Cretaceous coelacanth from Texas
 Historical Biology Volume 24, Issue 4, 2012 pp.441-452 DOI:10.1080/08912963.2012.696636
 アブストラクト

殺し屋シーラカンスの化石、カナダで発見 5.04.12
  SVPプレスリリース(日本語) ナショナルジオグラフィック(日)
  2億4千万年前に生息していたシーラカンス類の完全な化石が記載されました。
 Rebellatrix divaricerca 「反抗するシーラカンス」と、プレスリリースでは紹介されています。このシーラ
 カンスの行動が反抗的だったのではなく、尾びれが現生と化石を含むこれまでのどのシーラカンスにも
 見られない、上下対称に分かれた形をしているためです。
 似たような形状の尾鰭は今日ではマグロやカマスのように高速で泳ぐ捕食性の魚類に見られることか
 ら、レベラトリックスは急に加速したり高速で遊泳したりして大昔の海に生息していた他の魚を探したり
 捕まえたりすることができたことが示唆されるそうです。
 Andrew J. Wendruff & Mark V. H. Wilson(2012)
 A fork-tailed coelacanth, Rebellatrix divaricerca, gen. et sp. nov. (Actinistia, Rebellatricidae, fam. nov.),
 from the Lower Triassic of Western Canada
 Journal of Vertebrate Paleontology Volume 32, Issue 3, 2012 DOI:10.1080/02724634.2012.657317
 アブストラクト 論文フリー

中国雲南省から最古のシーラカンス類 4.13.12
  AFPBB 中国科学院古脊椎動物与古人類研究所(中国語) (英語)
  雲南省から産出した、解剖学的に現生と同じ型の最古となるシーラカンス類が記載されました。
 雲南省、Zhaotong(昭通市)、Qingmen(?門)貯水池近くの前期デボン期 (late Pragian)、Posongchong
 (坡松冲)層の黄色砂岩層から産出した標本です。年代は約4億1千万年前とのことで、これまでの最古
 の記録を約1700万年遡るものです。
 Euporosteus yunnanensis と命名されています。
 Min Zhu, Xiaobo Yu, Jing Lu, Tuo Qiao, Wenjin Zhao & Liantao Jia (2012)
 Earliest known coelacanth skull extends the range of anatomically modern coelacanths to the
 Early Devonian
 Nature Communications 3,Article number:772doi:10.1038/ncomms1764 アブストラクト

シーラカンスの全ゲノム解読 12.28.11
  東工大ニュース 国立遺伝学研究所リサーチハイライト
  プレスリリース資料 読売新聞
  東京工業大学、国立遺伝学研究所、東京大学大学院新領域創成科
 学科の研究者からなるグループは、タンザニア産シーラカンスの全ゲノ
 ム解読に成功しました。
 発表によると、次のようなことが言われています。
 次世代ゲノム技術を駆使し、全ゲノムを解読したこと。
 ゲノムサイズは、ヒトを含めた哺乳類に匹敵する27億塩基対。
 シーラカンスゲノム中には魚類タイプのものと四足動物タイプのものが
 共存していることが明らかになった。魚類では見つかっていない新しい
 遺伝子が多数見つかる可能性がある。
 
アクアマリンふくしま、インドネシア、パプア州ビアック島海域でシーラカンス撮影
  12.02.10
  プレスリリース 生き物情報
  これまでインドネシアではスラウェシ島北部付近でしか発見されていませんでしたが、
 11月6日〜20日の調査期間中、延べ6個体の撮影に成功しました。これはアフリカシー
 ラカンス同様、インドネシアシーラカンスが広範囲に生息している可能性が非常に高い
 ことが立証されたとしています。

群馬県神流町から巨大魚類歯 11.25.10
  東京新聞
  神流町の1億2千万年前の地層から発見された魚の歯化石3本の特徴から、パキコ
 ルムス科の特徴と一致したそうです。

史上最大のハイギョ歯化石 11.18.10
  読売新聞 ディスカバリー(大サイズ写真) ニューサイエンティスト
  先月のSVP総会でデ・ポール大の島田賢舟(けんしゅう)准教授らが報告したもの。
 幅117mmという大きな歯です。これから見積もられる体長は約4m。史上最大のハイギョ
 で、1億6千万年から1億年前のもの、Ceratodus のものだそうです。標本はネブラスカ
 州立大博物館に70年間眠っていました。

サメの祖先?ヘリコプリオン化石発見 気仙沼 10.08.09
  河北新報
  「みちのく古生物研究会」のメンバーが6月、上八幡地区のペルム紀地層から発見
 したそうです。国内では3例目。

大型肉食魚は絶滅しやすい=化石調査で乱獲に警鐘−米大学 4.08.09
  時事 シカゴ大ニュース
  6500万年前の大量絶滅時には、現代のカジキやマグロに相当する大型肉食魚
 の受けた打撃が大きかったことがわかりました。
 Matt Friedman
 Ecomorphological selectivity among marine teleost fishes during the end-
 Cretaceous extinction
 PNAS March 31, 2009 vol. 106 no. 13 5218-5223 doi: 10.1073/pnas.0808468106
 アブストラクト

関節がつながった標本として最古の硬骨魚化石 3.26.09
  Min Zhu(朱敏), Wenjin Zhao, Liantao Jia, Jing Lu, Tuo Qiao & Qingming Qu
  The oldest articulated osteichthyan reveals mosaic gnathostome characters
  ネイチャー3月26日号 Nature 458, 469-474 doi:10.1038/nature07855

  中国雲南省曲靖Kuanti層(シルル紀ラドロウ世、約4億1千9百万年以前))から産
 出した、関節がつながった硬骨魚類を記載しています。(尾鰭のほか殆ど完全な立
 体的な標本で、標本長26cm)
 Guiyu oneiros
 属名は中国語で鬼魚(「鬼」は中国語では幽霊などを指します)
 種小名はギリシャ語"oneiros"夢を意味します。この魚には顎口類の特徴が混在
 している、夢の魚であることを意味します。中国名夢幻鬼魚。

 硬骨魚類〔条鰭類と肉鰭類(シーラカンスや陸上四肢動物)〕の歴史は、シルル紀
 ラドロウ世までさかのぼるそうです。しかし、これまでこの時代の魚化石は断片的
 なものでしかありませんでした。今回記載された化石は、ほとんど完全な状態です。
 そのため、これまで知られなかった特徴が明らかになりました。原始的な特徴と、
 肉鰭類の特徴がモザイク状に混在しているのです。

 硬骨魚類以外の顎口類(顎のある脊椎動物)と同様の原始的な胸帯と正中鰭棘が
 ある一方、冠系統硬骨魚類と同様の派生的な大型の鱗の複雑な配列もみられ、
 また、頭部から後方に肉鰭類の特徴も見られます。そのため、関節した最古の肉
 鰭類として記載されています。そのため、条鰭類と肉鰭類の分岐が少なくとも4億
 1千9百万年より前であることを示しています。
 参考:sciencecentric 中国科学院

デボン紀の節頸類化石の胎仔と、脊椎動物における体内受精の起源 2.26.09
  ネイチャー2月26日号 ネイチャーニュース
  John A. Long, Kate Trinajstic & Zerina Johanson
  Devonian arthrodire embryos and the origin of internal fertilization in vertebrates
  Nature 457, 1124-1127 (26 February 2009) | doi:10.1038/nature07732

  オーストラリアの西オーストラリア州で採取されたデボン紀後期のゴーゴー層(約
 3億8,000万年前)から出土した顎のある原始魚類(板皮綱)の中のひとつ節頸類の
  Incisoscutum ritchiei 化石標本の内部から、胎仔(胎生の子魚)が発見されました。
 この発見は、脊椎動物の歴史の初期において、体内受精と胎生による生殖が、これ
 まで考えられていたよりもはるかに広範に行われていたことを示しているそうです。
 参考:ヴィクトリア博物館化石標本発見のニュース

 サメに似た古代魚の最古の頭蓋を発見 1.15.09
  ナショナルジオグラフィック(日) ウプサラ大ニュース
  顎のある脊椎動物の起源に近い古代魚の最古の頭蓋が記載されました。
 デボン紀初期(約4億18百万年〜4億12百万年前)の棘魚類である Ptomacanthus anglicus
 のものとしては最初の頭蓋標本です。
 Martin D. Brazeau
 The braincase and jaws of a Devonian 'acanthodian' and modern gnathostome origins
 Nature 457, 305-308 (15 January 2009) | doi:10.1038/nature07436

世界最古のアロワナ目化石、新属新種で記載 11.21.08
  朝日新聞 スポーツ報知
  石川県白山市の桑島化石壁から2000年に産出したアロワナ目化石が、同目では世界最古
 とわかりました。北九州市立自然史・歴史博物館の薮本美孝氏により、「テトリイクチス・クワジ
 マエンシス(桑島産出の手取魚)」と命名され、Mesozoic Fishes 誌に論文掲載されたそうです。
 2002年の段階では前鰓蓋骨や前頭骨の特徴から、アロワナ目のPhareodus 群に属すると考
 えられていましたが、えらぶたや鱗の形が独特なため、新属新種とされました。
 化石は、白山市立鶴来博物館で22〜30日に特別公開されるそうです。

Tiktaalik roseaeの頭蓋内骨格 10.16.08
  フィラデルフィア自然科学協会 シカゴ大 NSF ニューサイエンティスト
  ナショナルジオグラフィック(日)
  ネイチャー10月16日号
  Tiktaalik roseae は、2004年にカナダ北極圏で発見され、2006年に記載された、
 魚から陸上四肢動物への移行過程を示す、デボン紀後期の肉鰭類魚類です。
 今回、その頭蓋内骨格の詳細が記載されました。
 
 魚から四肢動物への移行の間に生じた形態変化の中には、頭蓋内骨格の著し
 い再構成があげられる。一連の形質の獲得を含むこの移行過程の詳細は、化
 石記録からは明らかになっていない。

 Tiktaalik roseae は、多くの点で原始的構造を保持しているが、大きな基底関節
 や扁平で水平に伸びた内翼状骨のような派生形質を四肢動物と共有している。
 短く真直ぐな舌顎骨などのような他の形質は、より原始的な魚類と四肢動物それ
 ぞれで観察される状態の中間形態を示している。

 その形質の組み合わせは、頭蓋内骨格の変化の相対的な時期を解明するのに
 役立つ。この連続した変化は、脊椎動物の陸生化の起源に向かって分岐してい
 く、頭部の可動性と頭蓋内の運動性の変化を示唆している。
 
 参考:ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト
     最新科学が明らかにする人体進化35億年の旅
     ニール・シュービン(著) 垂水 雄二(訳)
     ISBN:978-4-15-208955-7 刊行日:2008/09/05
     Tiktaalik roseae記載者の一人である解剖学者が、最新科学の成果を駆使
     して綴る極上の科学読み物
 ホントおすすめです!

手足の指は3億8000万年前の魚類に出現した、スウェーデン研究9.29.08
  AFPBB サイエンスデイリー ウプサラ大ニュース ナショナルジオグラフィック
  四肢動物の指の起源について、これまでTiktaalik が最初とされていましたが、
 それより魚に近いPanderichthysのヒレ内部の骨に既に指にあたる骨があった
 そうです。
 Catherine A. Boisvert, Elga Mark-Kurik & Per E. Ahlberg
 The pectoral fin of Panderichthys and the origin of digits
 Nature advance online publication 21 September 2008 | doi:10.1038/nature07339
 アブストラクト

ギョギョ!チベットの魚の化石、異常骨格の謎解明へ―米国 8.25.08
  レコードチャイナ 化石網 人民日報(カラー写真)
  コイ科の魚、伍氏献文魚というものです。これはインド亜大陸がアジアに衝突し、
 チベット高原が乾燥化していった証拠なのだそうです。
 約300万年前のツァイダム盆地では塩湖が広がり、その水には多量の石灰分、と
 石膏が含まれていたそうです。それを吸収してこんな太い骨の魚になったというの
 です。9月9日PNASで論文発表とのことです。

カルカロドン・メガロドンの咬む力はホオジロザメの10倍以上 8.06.08
  BBC MSNBC
  およそ150万年前に絶滅した巨大なサメ、カルカロドン・メガロドンCarcharodon megalodon
 の顎の力を、有限要素法により推定した研究です。現生のホオジロザメと比較すると、体長
 約2.4mのオスのホオジロザメの顎の力は1.8t。これはアフリカライオンの3倍の力になります。
 対して体長16mのカルカロドン・メガロドンでは10.8から18.2tと見積もられました。
 サメ類の顎は軟骨でできていますが、その強度は普通の骨より数%落ちる程度ということで
 す。ニューサウスウェールズ大のStephen Wroeらによる論文はJournal of Zoologyに掲載さ
 れます。
  Computational Biomechanics Research Group

恐竜時代の魚の頭? 庭先で発見された化石 7.31.08
  ナショナルジオグラフィック

1500万年前の深海ザメ 富岡で発見の歯の化石 2.26.08
  産経新聞
  富岡市内で平成6年に発見されたサメの歯化石が、約1500万年前のオンデンザメ属カエル
 ザメ亜属のものであることがわかりました。

1680万年前の新属・新種魚 国府で発見の化石 トットリムカシギンポ 1.09.08
  日本海新聞 読売新聞 鳥取県立博物館ニュース
  鳥取市国府町宮下の鳥取層群普含寺泥岩層で発見された魚化石がイソギンポ科
 新属・新種と判りました。国立科学博物館研究報告C類 第33巻に記載論文が掲載さ
 れたそうです。
 Yabumoto, Y. and T. Uyeno (2007)
 Tottoriblennius hiraoi, a New Genus and Species of Miocene Blennioid Fish from
 Tottori Prefecture, Japan.
 Bulletin of the National Science Museum, series C 33: 81-87.

ここは昔、海の底だった… 校庭からサメの歯ざくざく 6.25.07
  河北新報(要会員登録)
  宮城県富谷町成田の成田東小校庭で中新世のサメの歯化石などが次々発見さ
 れているそうです。化石に詳しい先生の指導で子ども達が見つけているそうです。

日本最古のネズミザメ類の歯…小4が発見 和歌山・広川 5.16.07
  毎日新聞 朝日新聞 時事 NHK
  和歌山県立自然博物館主催の化石さがしイベントで、小4の山本祥久くんが50個の
 石を割った末、発見。
 約1億3500万年〜1億3200万年前のネズミザメ類、プロトラムナ属の歯化石だそうです。

中生代のサメ「クレトラムナ属」の歯化石、国内初発見 3.14.07
  南日本新聞
  獅子島の海岸 恐竜絶滅後始新世の地層から。同属の化石が約6550万年
 前の恐竜絶滅後の地層から発見されたのは国内初なのだそうです。

ダンクルオステウスの顎はT-REXに匹敵 12.01.06
  ユーレカラート
  ダンクルオステウスは、板皮類の中でも有名ですね。この夏の食玩にも登場していました。
 恐ろしい顎をしていますが、この動くメカニズムと噛む力をシカゴ大のPhilip S.L. Anderson らが
 研究したところ、噛む力は魚類中最大とわかりました。1平方インチあたり8,000ポンドの力だそ
 うです。1平方cmあたり562.5kgにあたります。
 Feeding mechanics and bite force modelling of the skull of Dunkleosteus terrelli, an ancient apex predator
  Philip S.L. Anderson and Mark W. Westneat
 Biology Letters FirstCite Early Online Publishing DOI: 10.1098/rsbl.2006.0569
 アブストラクト

南アフリカのデボン紀産のヤツメウナギ 10.26.06
  A lamprey from the Devonian period of South Africa
  Robert W. Gess, Michael Coates and Bruce S. Rubidge
  ネイチャー10月26日号 Nature 443, 981-984(26 October 2006) | doi:10.1038/nature05150

  南アフリカ、デボン紀後期 Famennian Witpoort 層, Witteberg Group から産出した最古のヤツメウ
 ナギについて記載しています。
 Priscomyzon riniensis gen. et sp. nov.
 現生ヤツメウナギ類に見られる形態がすでにこれに見られ、現生ヤツメウナギ類に近い無顎類がデボ
 ン紀末以前に進化していた証拠となるそうです。現生ヤツメウナギ類は生きた化石ということになるの
 でしょう。
 シカゴ大ニュース ライブサイエンス

陸に這い上がる直前の魚の化石 10.20.06
  東亜日報
  3億8000万年前のデボン紀の魚「ゴゴナスス」の化石。
  Nature advance online publication 10月18日
  An exceptional Devonian fish from Australia sheds light on tetrapod origins
  John A. Long, Gavin C. Young, Tim Holland, Tim J. Senden and Erich M. G. Fitzgerald
  モナシュ大ニュース

最古のシーラカンス類化石 8.30.06
  ヤフーニュース(AFP) Macquarie大ニュース
  これまで最古だった化石より2千万年古く、デボン紀前期に遡るシーラカンス類化石です。約4億年前の
 もので、Eoactinistia foreyi と命名されました。1個の下顎の骨によっています。
 ビクトリア州東部 Gippsland のBuchan 近郊で採取されました。

 Biology letters Volume 2, Number 3 / September 22, 2006 Pages: 443 - 446
 Oldest coelacanth, from the Early Devonian of Australia
 Zerina Johanson, John A. Long, John A. Talent, Philippe Janvier, James W. Warren

奥州市衣川区で1100万年前の巨大なサメの歯化石 6.28.06
  河北新報(要登録)
  衣川産サメの歯化石調査団団長の阿部恵彦市立若柳幼稚園長が鑑定したところ、ホオジロザメ
 科のカルカロドン・メガロドンの歯とわかったそうです。

国内最古のムカシオオホオジロザメ化石 6.12.06
  カルカロドン・メガロドンといった方が通りがいいかもしれません。北茨城市の五浦海岸で、約1千
 640万年前の歯や脊椎骨などが発見・確認されたそうです。
 7月15日から9月18日までミュージアムパーク茨城県自然博物館企画展で展示されます。
 毎日新聞 朝日新聞 北茨城市からのお知らせ メガロドン

四川省で1億3千万年前の魚化石 5.11.06
  中国広範網
  四川省隣水県石永鎮李子溝村の李子溝貯水池の崖から発見されたものです。
 写真を見ると岩がオーバーハングになり、天井になっているところからですね。
 魚化石の長さ約30cm、幅約16cm。ウロコもはっきりしています。

デボン紀の四肢動物のような魚 4.06.06
  A Devonian tetrapod-like fish and the evolution of the tetrapod body plan
  The pectoral fin of Tiktaalik roseae and the origin of the tetrapod limb
  ネイチャー4月6日号掲載

  カナダ北部、3億7千5百万年前の地層から発見された、四肢動物の手首のような
 構造のひれを持った魚の記載です。3匹分の化石があるそうです。
 Tiktaalik roseae と命名されています。魚から陸上動物になるミッシング・リンクと
 言われています。
 毎日 読売 ナショナルジオグラフィック日本版
 ネイチャーニュース ニューサイエンティスト BBC
 フィラデルフィア自然科学協会ニュース

ヒラメの化石 長野県八坂村で発見 4.18.05
  約900万年前の化石「クロイワヒラメ」と命名。4月29日から2か月間、信州新町
 化石博物館で公開されます。
  毎日新聞

古代サメの歯化石大量発見 新種や世界最古の可能性 7.23.04
  ヤフーニュース(共同) ヤフーニュース(毎日)
  参考:サメの歯化石研究会 群馬県立自然史博物館
      恐竜王国中里お知らせ

糸魚川市でサメの歯化石発見 12.02.03
  ヤフーニュース(共同) フォッサマグナミュージアム新着情報
  ジュラ紀前期のサメの歯だそうです。群馬の高桑さんの鑑定なんですね

ペンシルバニア州で3億5千万年前の肉鰭類化石発見 11.18.03
  ヤフーニュース(AP) Jennifer M. Elick

最古のサメ頭骨化石 10.02.03
  The oldest articulated chondrichthyan from the Early Devonian period
  RANDALL F. MILLER, RICHARD CLOUTIER
  ネイチャー10月2日Nature 425, 501 - 504
  
  カナダ、ニューブランズウィック州キャンベルトンの約4億900万年
 前、デボン紀前期のサメ化石です。サメは軟骨魚類ですが、この
 標本では、2列の歯以外に頭蓋、左右のとげがある胸鰭などがあり
 ます。
  ヤフーニュース(時事) ナショナルジオグラフィック

史上最大の魚類の化石を発見 9.19.03
  ヤフーニュース(時事)
  ただ、元ネタのサンは、当日以外の記事は有料になるので、サン
 で確認はできませんでした。Leedsichthys problematicusのことのよ
 うです。
 Cambridgeshireで2002年夏シーズン、ポーツマス大により約30mと
 推定されるこの化石の発掘があったそうです
 (チャンネル4 デイリーレコード)。
 なお、スコットランドのグラスゴー大学で19、20日の二日間、この化
 石展示があるそうです。
 グラスゴー大ニュース ハンテリアン博物館ニュース BBC
 参考:金子隆一 メアリー・アニング生誕200年祭 イギリス紀行アルバム
     (グラスゴー大博物館の項にこの化石写真あり)
     http://www.palass.org/pages/archive/News52.pdf
     (21ページに発掘の様子あり)
    http://www.nerc.ac.uk/publications/documents/Abigfish.pdf
     (発掘の様子カラー写真)
 
カンブリア紀前期の脊椎動物 Haikouichthys の頭部と背骨 1.30.03
  ネイチャー1月30日号掲載 Nature 421, 526- 529(2003)
  Head and backbone of the Early Cambrian vertebrate Haikouichthys
  舒コ干(D.-G. SHU), S. CONWAY MORRIS, J. HAN, Z.-F. ZHANG, K. YASUI,
  P. JANVIER, L. CHEN, X.-L. ZHANG, J.-N. LIU, Y. LI & H.-Q. LIU

  Haikouichthys は中国雲南省の昆明で発見された原始的な無顎類
 です。99年にネイチャーで発表されました。
 その時は模式標本しか知られていませんでしたが、今回は500以上と
 いう多数の標本を報告しています。以下アブストラクトから

 無顎魚類は脊椎動物の進化上、特に頭部と神経冠由来組織の起源に
 関して主要な位置を占める。ナメクジウオ類と比べ、ヤツメウナギ類と
 他の脊椎動物は、聴覚、嗅覚のシステムと同様、複雑な脳とよく発達し
 た眼に関与するプラコードをもっている。これらの知覚システムは論証
 上その後の脊椎動物の多様化への引き金であった。これらについて
 の情報は古生代後期無顎類の骨格印象から知られているが、最初期
 のシステムについての記録はまったく不十分であった。ここに我々は
 現在模式標本のみから知られる下部カンブリア系の脊椎動物
 Haikouichthys ercaicunensisの多数の標本を報告する。Haikouichthys
 には、他の化石無顎類とは重要な差異がある;頭部に小さい葉状の突
 起があり、これに眼と鼻腔があり耳嚢も含まれていたかもしれない。(こ
 のことから脳の分化を示すそうです)
 個別の脊椎要素のある脊索も識別できる。系統解析からはstem-group
 有頭動物類内になる。Haikouichthysは現生ヤツメウナギ類のアンモ
 シーテ幼生にやや似ているが、これは有頭類の一般的な形質を共有す
 るためである;ヤツメウナギ類とメクラウナギ類(単系統であれば円口
 類)の成体はおそらく多くの点で、派生的なものである。
 中国科学院
  参考:ネイチャーVOL 402 4 NOVEMBER 1999 pp.42-46PDF
      99年のBBCニュース
      WFSC 311 ICHTHYOLOGY EVOLUTION AND JAWLESS FISHES
       (パワーポイントファイル)

四肢動物と肺魚の共通祖先に近い原始的魚類 8.15.02
  A primitive fish close to the common ancestor of tetrapods and lungfish
  ネイチャー8月15日号掲載 Nature 418, 767 - 770 (2002)
  MIN ZHU(朱敏) AND XIAOBO YU
  中国雲南省東部QujingのXitun層(デボン紀前期)から発見された肉
 鰭類化石魚類の新属新種について記載しています。

 肉鰭類類の3つの現生分類群(四肢動物、肺魚類、シーラカンス類)の
 類縁関係についてはまだ結論が出ていません。そのうち四肢動物は
 肺魚類と近縁と考えられています。しかし、両者の最新の共通祖先に
 相当する特徴を備えた分類群はこれまで報告されていませんでした。

 今回報告された新属新種 Styloichthys changae gen. et sp. nov., は
 眼柄があり、また、四肢動物と肺魚類の最終共通祖先に近い原始的
 な基幹分類群のものと思われる特徴の組み合わせが見られるそうで
 す。

 これは、基幹的な肉鰭類と四肢動物形類または原始的な肺魚形類も
 しくはこの両者との形態上の隔たりを埋めるものだそうです。

 なお、朱敏らはネイチャー3月1日号でも眼柄のある原始的な肉鰭類
 魚類 Achoania jarvikii gen, et sp.nov.を報告しています。

国内最古のホホジロサメか石川県七尾市で出土 7.13.02
  北国新聞

石川県白峰村産前期白亜紀のアロワナ類 6.23.02
  23日に北九州市立自然史博物館の薮本美孝学芸員が発表したもの。桑島化石
 壁から頭骨、脊椎骨などがまとまって保存されているものです。
 前鰓蓋骨や前頭骨の特徴から、アロワナ目のPhareodus 群に属するということで
 す。この化石はPhareodus 群では最古であるとともにアジア初の発見です。
 これまでアロワナの起源はゴンドワナと考えられていましたが、東アジア起源の可
 能性がでてきたそうです。
 北陸中日新聞 朝日新聞

群馬県中里村で6歳児、1億2千万年前の魚化石発見 3.26.02
  河北新報です。
魚の化石僕が見つけた 武蔵村山の福嶋君 4.16.02
  朝日新聞です。3月にニュースはお知らせしました。群馬県中里村で1億2千
 万年前の魚化石を発見した6歳のこども。この記事は福嶋君の写真が掲載さ
 れているので紹介。


大阪府貝塚市からラブカの最大の歯 1.21.02
  約6,500万年前-7,100万年前の地層から発見されたそうです。三つまたの
 歯が特徴的です。
 鹿児島で開催される古生物学会で報告されます。
 ヤフーニュース
 参考:ラブカについて 深海生物館

肺魚の歯は大昔のまま 5.31.01
  ネイチャー5月31日号掲載ブリーフコミュニケーション
  Lungfish dental pattern conserved for 360 Myr
  ROBERT R. REISZ* AND MOYA M. SMITH†
  肺魚の歯式は3億6千万年前から肺魚特有なものだそうです。この研
 究では、現生種ネオケラドスの歯の発生様式とデボン紀の絶滅種アン
 ドレイエヴィクティスの一連の化石と比較しました。この化石は稚魚から
 成体まであらゆる段階の標本があるそうです。
 歯板というものができる過程は化石標本でも確認できたそうです。

眼柄のある原始的な肉鰭類魚類 3.01.01
  ネイチャー3月1日号掲載。
  A primitive sarcopterygian fish with an eyestalk
  MIN ZHU(朱敏), XIAOBO YU & PER E. AHLBERG
  中国雲南省のデボン紀の地層から発見された原始的な肉鰭類アコアニア
 (Achoania jarvikii gen, et sp.nov.)の報告です。
 硬骨魚類の起源とそれらから条鰭(き)類(真骨類とその近縁群)や肉鰭類(四
 肢動物、シーラカンス類、肺魚類とそれらの近縁群)への分岐に関する通説に
 対し、疑問が出されています。
 従来、硬骨魚類以外にあるとされた原始的特徴が、この魚類やこれまでに報告
 された中国産のプサロレピス(Psarolepis)と、オーストラリア産で種名の確定しな
 い脳頭蓋にもあり、初期硬骨魚類の進化が、肉鰭類と条鰭類で実質的に平行し
 て起こった可能性を示唆するそうです。この魚類で報告された眼柄はプサロピレ
 スにもオーストラリア産の脳頭蓋にもあることを示しています。
 BBCニュース ネイチャーサイエンスアップデート 新華社

鳥取で発掘の魚化石はケツギョに似た新種2.11.00
  鳥取層群岩美累層普含寺泥岩層から採集された約1,600万年前
 の魚化石で、同県立博物館に所蔵されているものについてです。
 北九州自然史博物館の薮本美孝氏、国立科学博物館の上野輝彌
 氏の発表。スズキ目のケツギョ属の範囲内だが新種と考えられてい
 るそうです。先日の古生物学会でも発表されていました。
 ヤフーニュース
 写真2.13追加

石川県白峰村の手取層群桑島層から魚の下あご化石発見1.22.00
  白亜紀、約1億4千万年前の地層だそうです。発見されたのは、「パ
 キコルムス科」の魚類化石で、同科は約9千万年前に絶滅したそうで
 す。
 発見された化石からは体長約30cm程度の魚が推定されるようです。
 この科の魚はヨーロッパでは海成層から発見されていますが、今回淡
 水成層から発見されたとにより、河口付近で生息していたか海から川
 にのぼる魚であった可能性があります。
 ヤフーニュースライン

最古の硬骨魚類の頭蓋骨?1.14.00
  ネイチャー1月13日号掲載。 ALISON M. BASDEN, GAVIN
 C. YOUNG, MICHAEL I. COATES & ALEX RITCHIE
 硬骨魚類の起源は、まだあまりわかっていないそうです。硬骨
 魚類のうち条鰭(き)類(ふつうの魚。我々の祖先は肉鰭類)の
 化石記録が現れるのはシルル紀後期ですが、デボン紀後期以
 前のものはほとんど知られていないとのこと。
 今回、知られるうちで最古かつ最も原始的な条鰭類様硬骨魚類
 の頭蓋が、オーストラリア南東部で4億年前の石灰岩から発見さ
 れました。この化石標本には、軟骨性眼柄の開口部をはじめとす
 る、これまでにない原始的特徴が見られる。これは、最近報告さ
 れた中国およびベトナム産でほぼ同年代のPsarolepis に対置で
 きる重要で貴重な化石である。これらの化石の特徴比較と今回の
 化石の奇妙な形態から、解剖学的特徴に関する新たな洞察が得
 られ、現生硬骨魚類の全分類群の放散進化に迫ることができる。
 ネイチャー

サメの顎は原始的でなかった4.12.99
 アメリカ自然史博物館のプレスリリースによると、同館の古脊椎動物学キュレー
ターのJohn Maiseyは、顎の起源とサメの顎に関して新しい知見を発表しています。
  ボリビアで発見された約4億年前の軟骨魚類Pucapampellaにより、サメやその仲
間の含まれる軟骨魚類が顎の構造により原始的だとされる見解を否定するものと
なっています。
  顎の進化は脊椎動物の進化をたどる上でも非常に重要なものですが、これまで
その起源はあまり明らかになっていませんでした。化石記録は約3億7千万年前の
サメ、Cladoselacheの研究がされていたそうです。
今回の発見はさらに3千万年遡るものとなります。 Maiseyによると、Pucapampellaは
進化上の位置づけは軟骨魚類の基底に位置するのに対し、その上顎は頭蓋に硬骨
魚類のように付いているそうです。(サメの顎は舌顎軟骨を解して頭蓋の内耳近傍に
結合しているそうです。「かたちの進化の設計図」P.40から)
 原始的な軟骨魚類が硬骨魚類と同様な顎をしていたことから、現代のサメの顎は硬
骨魚類の顎よりも進化したものであることを示唆します。さらに軟骨・硬骨魚類の関係
や顎の獲得の起源についても光を投げかけるだろうとしています。
  ところで、顎はエラの一番前のものから変化してきたそうですが顔の四角い人を「エ
ラがはっている」というのは進化的には正しいのかな?
アメリカ自然史博物館プレスリリース
ディカバりーオンライン
参考:カナダ・モンタナで3億2千万年前のサメ化石発見8.7.98
    S H A R K W E E K(ディスカバリーオンライン)

硬骨魚類の起源2.27.99
 ネイチャー2月18日号で報告されています。中国で発見されたシルル紀か
 らデボン紀にかけての化石魚類であるPsarolepis romeriは、これまで、肺魚やシーラカンス、
 四肢類の共通祖先に近いごく初期の肉鰭(き)類魚類であるとして報告されてきたが、ヒレの
 形態などの研究により全ての硬骨魚類の系統の根幹に近いことがわかりました。
 ABCニュース
 ネイチャー門(日本語のサマリーあり)