南極の氷から2,800年前の細菌や藻類復活 12.17.02
南極マクマード基地近く、氷の下に不凍湖があるそうです。塩分濃度が
海水の7倍あるため、摂氏-10度でも凍らないのです。長さ5kmにわたる
大きな湖で、Vida湖といいます。
この湖を厚さ19mの氷が覆っています。米の研究者たちがこの氷を掘削
したところ、15-16mほどのところから回収した氷中から細菌と藻類を発見。
ゆっくり解凍したところ復活したそうです。
このことから、下の湖中にも太古の微生物を存在する可能性があるとして
います。そこからは太古のDNA資料が取り出せるかもしれないし、過酷な
環境に生物が耐えられるなら、火星に水が残った最後の部分にも生物が
生き残っているかもしれません。
12月16発行のthe Proceedings of the National Academy of Sciencesに
論文掲載されるそうです。
CNN BBC MSNBC 朝日新聞 ネイチャーサイエンスアップデート
ナショナルサイエンスファウンデーションプレスリリース(写真11枚あり)
超高空からも微生物採集 12.17.02
生物圏はどこまで広がっているのか。高さ41kmの空中からも微生物を
採取したというニュースもあります。英カーディフ大とインドの研究者の共
同研究。
ユーレカアラート ニューサイエンティスト
生命の起源に新説 硫化鉄細胞 12.04.02
海洋底の熱鉱床から供給される硫化鉄により形成された、ミツバチの
巣に似た構造中に細胞の起源があるというもの。細胞が先という逆転
の発想です。
ネイチャーサイエンスアップデート
ユーレカアラート
Philosophical Transactions of the Royal Society B
進化:生命の起源に新説
すべては海底の硫化鉄鉱石の中で始まった?
12.17.02
ネイチャーバイオニュース(日本語)
中国貴州省からは大量の化石 11.21.02
高さ1.87m、幅4.92mという、世界最大級のウミユリ化石ほか写真4枚
中国恐竜網
5万5千年以前の化石骨から骨蛋白質の完全な配列を解析 11.15.02
英ニューカースルアポンタイン大、オックスフォード大、ミシガン州立大の
研究者らが、シベリアとアラスカで発見されたステップ・バイソン
(Bison priscus)の化石から、骨蛋白質(オステオカルシン)のアミノ酸配列を
完全に解析することに成功しました。
オステオカルシンはDNAに比べはるかに長期間保存されるそうです。
ニューカースル大のMatthew Collinsによれば、摂氏0度で1億年以上、
10度で1千万年は保存されるのだそうです。
ステップ・バイソンのオステオカルシン配列は、現在のバイソンのものと一
致したそうです。DNAにくらべゆっくり分岐するもので、何百万年もの間の
進化を調べることができます。
この研究はGeology (vol 30, p 1099)誌に掲載されます。
もし、非常に保存のよい恐竜化石があれば、オステオカルシンからその系
統を比較できるかもしれませんね。
ニューサイエンティスト ユーレカアラート BBC 米地質学会
山梨県中富町で600万年前の穿孔貝巣穴化石 10.28.02
山梨日日新聞
キリストの弟の骨箱発見 10.22.02
恐竜とは関係ありませんが、キリスト教を信じる人にとっては重要な
ニュースです。
Biblical Archaeology Review 誌にAndre Lemaireという研究者が発
表したもの。
石灰岩の骨箱に紀元63年の日付、アラム語で「James(どうやらヤコブ
のことらしいです)、ヨセフの息子、イェススの弟」と記してあるそうです。
ユダヤ人は紀元20年から70年頃の間しか骨箱を使わなかったそうで
書体も1世紀のもの。さらに、この親子兄弟の組み合わせとなると、
本物の可能性は高いのかも。
報道によると、プロテスタントでは、イェススのあと、マリアがヨセフと
の間に設けた子と解しているのに対し、カトリックでは、ヨセフの前妻
との間の子で、ヨセフは前妻の死後マリアと結婚したことになるのだ
そうです。そうすると異母兄になりますね。
骨箱は、遺跡で発見されたものではなく、匿名の所有者は15年前
イェルサレム骨董商から200-700ドルの間で買ったもの。その価値
には気づいていなかったそうです。
この11月、カナダのロイヤル・オンタリオ博物館で開催される聖書研
究者の学会で展示されるそうです。
CNN ニューサイエンティスト ABC
アラスカで小型機に匹敵する大きさの鳥目撃 10.21.02
翼を広げた長さが4.6mというのですが、本当に飛べるの?
300m離れた距離で見たパイロットもいるそうです。
ヤフーニュース 朝日新聞
アンカレッジデイリーニュース
太陽系に巨大小惑星 10.08.02
冥王星のさらに外側を回る巨大小惑星。直径1,250kmとい
うもの。冥王星の半分の大きさだそうです。
米カリフォルニア盆地に住む先住民、Tongva 族の創造神か
ら「クワーオワー(Quaoar)」と命名されています。
朝日新聞 ネイチャーサイエンスアップデート
Frequently Asked Questions About Quaoar
Hubble Spots an Icy World Far Beyond Pluto
河北省で白亜紀化石群 9.14.02
河北省豊寧満族自治県で約1億3千万年前の化石が発見されまし
た。同県外溝門郷騾子溝村東土度窖后山というところ。10種あまりの
うち、リコプテラなど魚類が主ですが、蝶や鳥類も保存状態のよいもの
が出ているそうです。
新華社
フネガイ化石の新種発見 9.09.02
兵庫県立人と自然の博物館(三田市)の研究員が岡山県牛窓町で
発見した化石が、二枚貝「フネガイ」の新種であることが分かり、7日
から10月末まで同館で展示されるそうです。
神戸新聞
南アフリカでウミサソリ足跡 8.30.02
ウェスタンケープ州Laingsburg近郊で。行跡は15mほどの長さ、23組
の足跡でストライドは60cm。そこからウミサソリ体長は2.5mとされてい
ます。
インディペンデントオンライン
湖北省で海洋化石群発見 8.30.02
武漢化工学院地質学教授らの遠征で。宜都市で古生代の海洋古生
物化石発見。2-5億年前のもの。50ムーほどの範囲に40種あまり。
※1ムー(畝)は6.667アール 1/15ヘクタール
人民日報 新華社
澄江生物群:解読カンブリア紀生命の謎 8.06.06
最近、澄江生物群の研究はかなり進んでいるようです。人民日報、新
華社のニュースを見ても、海口虫の研究について進展があったことが
報道されています。ただ、私も読むのを怠けていてなかなか紹介できま
せん。
新華社雲南頻道では、これについてまとめて報道しています。参考まで
参考:中国科学院ニュース
最古の硬い骨格をそなえた生物 7.02.02
BBCニュース。5億5千万年前に既にカイメンかサンゴのような硬い骨格を備えた
生物が生息していたのだそうです。ナミビアで発見された化石は
Namapoikia reitogensis と命名されています。
最古の這い跡 5.10.02
Discoidal Impressions and Trace-Like Fossils More Than 1200 Million Years Old
ウェスタンオーストラリアで発見された12億年前の這い跡について。
これまで多細胞生物が現れたとされる6億年前を大幅に遡ることになります。
サイエンス5月10日号掲載
BBCニュース ネイチャーサイエンスアップデート 毎日インタラクティブ 朝日新聞
サイエンティフィックアメリカン
陸上生物最古の足跡 5.04.02
First steps on land: Arthropod trackways in Cambrian-Ordovician eolian
sandstone, southeastern Ontario, Canada
Robert B. MacNaughton
ジオロジー Geology: Vol. 30, No. 5, pp. 391-394.
カナダ、オンタリオ州キングストンの北東約20kmの砂岩風成層から発見さ
れた、節足動物の足跡について報告しています。年代はカンブリア紀後期か
らオルドビス紀前期の間です。約5億3千万年前ということです。
これまで報告された最古の足跡より約4千万年遡るものです。
足跡は、両側に多数の後、真ん中に尾を引きずった跡があります。報告者
たちは、足跡をつけた生物は、全長50cmくらいであり、16-22本の脚を持って、
その後ろに尾を引きずっていたと結論づけでいます。
euthycarcinoid という分類、私にはわかりませんが、甲殻類と昆虫の間くらい
の生き物のようです。たぶん水陸両生で、波打ち際の砂丘を歩いた後、風に
運ばれた砂で埋められたのでしょう。
ネイチャーサイエンスアップデート
CBCニュース
Australia's Lost Giants 3.28.02
およそ5万年前にオーストラリアから巨大生物が絶滅した理由を研究する、
米コロラド大のGifford Miller 。彼は、オーストラリアに渡った人類が火を放って
植物を焼き、植生が変わったため気候の変化を引き起こした。そのため巨大生
物が絶滅したとしています。
その証拠を探る調査行など。
インドで発見された最古の這い跡(?)、さらに遡る2.10.02
98年10月、インドで11億年前に遡る、生き物の這い跡が発見され、話題になりま
した。(Triploblastic Animals More Than 1 Billion Years Ago: Trace Fossil Evidence
from India
Adolf Seilacher, Pradip K. Bose, Friedrich Pflugerサイエンス98年10月1日号)
ところが、その這い跡のある砂岩は、さらに5億年遡り、16億年前のもので
ることが判明しました。Geology誌この2月号で2つのグループが別々にこの年代を
出したものです。
1.6 Ga U-Pb zircon age for the Chorhat Sandstone, lower Vindhyan, India:
Possible implications for early evolution of animals.
Birger Rasmussen, Pradip K. Bose, Subir Sarkar, Santanu Banerjee, Ian R. Fletcher,
Neal J. McNaughton,
U-Pb zircon dating and Sr isotope systematics of the Vindhyan Supergroup,
India.
Jyotiranjan S. Ray, Mark W. Martin, Jan Veizer, Samuel A. Bowring, pages
131-134
このことについて、最初の論文の記載者、Adolf Seilacherは、このことはよりエキ
サイティング、あるいは信じがたいことだ。この痕について生物起源以外の説明が
できるだろうかと、話しているのに対し、カリフォルニア大リバーサイド校の古生物
学者、Mary Droser は、這い痕というより割れ目に見えるといいます。
その正体はどちらでしょうか?
サイエンスナウ2月8日号(読むには購読料金必要)
米ウィスコンシン州上部カンブリア系からクラゲ化石 1.28.02
Stranded on a Late Cambrian shoreline: Medusae from central Wisconsin
James W. Hagadorn, Robert H. Dott Jr., Dan Damrow
Geology: Vol. 30, No. 2, pp. 147-150.
ウィスコンシン州中部の上部カンブリア系Mt. Simon-Wonewoc 砂岩から、
7つの層準に、当時の砂浜に打ち上げられたクラゲの印象化石が産出したそ
うです。クラゲのような柔らかい組織、それも砂浜に打ち上げられたものは、
きわめて珍しいものです。50cm以上もある大きいものです。
ヤフーニュース ニューサイエンティスト ユーレカアラート
サイエンティフィックアメリカン BBC ネイチャーサイエンスアップデート
中国昆明地区で発見された澄江動物群化石 1.22.02
人民日報です。雲南省の古生物学者、羅恵麟、陳良忠、胡世学が新華
社に公開したものです。化石写真があります。
脊索動物と脊椎動物の進化の空白を埋める化石、海口華夏魚と中新魚で
す。報道では最新発見としていますが、本当に最新発見なのか、すでに記
載されたものか、私にはわかりません。
ちなみに、ネイチャー99年11月4日号 402 pp.42-46 では、昆明で発見され
た原始的な脊椎動物、Myllokinnmingia と Haikouichthys が報告されてい
ます。後者は海口華夏魚と名前が似ていますが、これらとどういう関係にあ
るのでしょうか。"魚"とつけている以上、脊索動物よりは脊椎動物のような
感じですが。このあたり、詳しい方がいらっしゃったら教えてください。
参考:網絡文適2000年11月17日
小惑星と地球が7日ニアミス 1.09.02
"2001 YB5"と、12月26日に命名された300mほどの小惑星。7日に
地球から83万kmの近さを時速11万kmで駆け抜けたそうです。
もし、地球と衝突すればフランスを吹き飛ばす程度の災害になったそう
です。
ヤフーニュース BBC
Near-Earth Object の2001 YB5 情報